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【シリーズ水田農業イノベーション】
雪国のコメづくり技術を革新する(前編) 技術革新の背景と栽培技術のあらまし 水稲乾田直播の栽培の極意と狙い
- 編集部
- 第3回 2013年08月21日
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そこで岩見沢地域では、種子予措を省力する乾籾は種の実証試験を平成20年から行ない、その有効性を5年で実証した。乾籾区では出芽期が3日程度遅れ、苗立率は8%程度低下するものの、収量への影響は少なかった。種子予措の労働も大幅に削減できた。結果、現在の岩見沢地域の乾田直播の種子は、購入した未消毒乾籾を袋のままほ場に搬入し、直接播種を行なっている。これを「乾田乾籾播種法」と名付けた。欧米で行なう直播栽培とほぼ同様の方法で、乾籾はコンビネーションハローのホッパーからの落下もスムーズである。究極の省力法として全国から注目され、最新の実証試験は8/10aで、さらなる挑戦を続けている。
この乾籾播種法を用いるようになって以降は、雑草と稲の出芽差を利用し、ラウンドアップマックスロードの出芽前処理技術を実証、乾田直播ほ場の雑草の発生を以前より抑えることに成功した。乾籾の出芽遅れから、雑草の発生密度が高くなることを逆手に取った、出芽前雑草処理方法である。この除草剤の費用は、約400円/10aである。
おわりに
前編は岩見沢地域の乾田直播の栽培の実際を紹介した。後編はそのメリット・課題を具体的な現地データから解説し、水田農業の技術革新の必要性を述べる。 (続く)
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