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オピニオン

農村にさまざまな人が出入りするなかでの動植物の防疫に関しての懸念

6~7月の天候は就農以来、初めて経験する干ばつでした。例年以上にアブラムシなどの病害虫が大発生して食害は多く、農薬散布のタイミング、薬剤やノズルの選定に神経を使います。圃場近辺の草刈りをしていたところ、圃場脇に生えるイネ科雑草に麦と同じような病斑や菌群のようなものを発見したり、いったいどこから病気が発生しているのでしょうか?  とやま農場 外山 隆祥(北海道帯広市)
農業への理解を目的に、親の代から農場イベントの開催、研修生や修学旅行生の受け入れなどを行なっている農業者として、昨今の農村周辺の環境変化に懸念を抱いています。国内の流れとして、農業の6次産業化への支援、円安を利用した農産物輸出を推進していますが、防疫に関しては現場に丸投げ、放置状態な気が否めません。防疫上の信頼があってこそ2国間の輸出が可能なはずです。BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫問題の教訓はどこへ行ったのでしょうか? 「のど元過ぎれば……」という言葉がありますが、今では事故後に石灰がまかれていた関連公共施設の入場口には白線の跡さえありません。
もとより神経を使っている畜産は当然ですが、耕畜連携によって麦稈や堆肥の交換、飼料作物の栽培が進む水田・畑作地帯での環境整備も今後の検討が必要になってくると思います。農村振興によってかなりたくさんの人がビジネスや地域再興のために農村に出入りするようになりました。しかし、素人が畑に入るということは、衛生管理の知識を持たない一般人が素足で食品工場に入るような行為です。プロとはいえ、菌がどのように移動しているかを見ることはできず、リスクを最小限に抑えるために地域一丸となって考える時期に来ていると思います。
ちなみに、想定される防疫リスクには次のようなものがあります。

1)ヒト・動植物の移動による感染

2)農業用水の汚染による圃場への悪影響

3)輸入飼料→家畜ふん尿を経由した外来スーパー雑草の侵入

4)麦稈などの未分解植物残さ経由の土着性病原菌の移動(資材などについても同様)
また、新たなリスクとして考えられることも挙げておきます。

5)規模拡大・コントラクターなどによる耕作面積の増大、移動範囲の広域化

6)密閉された集中管理型施設栽培下での管理操作ミス

7)6次産業化プランナー、メディア関係者、生活者などの今まで農村に足を運ばなかった人たちの移動

8)観光地における自称プロカメラマン、外国人観光客による節度のない圃場への無断侵入

9)国内・海外視察研修やSNSを通じた農業者の交流機会の増加

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