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日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

ヨーロッパの大規模栽培の方法



栽培可能な品種と規制

・栽培できる品種は、EU規則でTHC成分が0.2%未満であることを規定している。
・EU共通品種カタログには農業品種87種類のA-63番に「ヘンプ・カンナビス・サティバ」の項目があり、52品種を掲載している。(13年5月末時点)
・EU圏内の農家は、フランス政府が指定した麻専門の種子会社、または麻の種子を保有するいくつかの農業試験場から入手する。
・栽培農家は麻栽培のための特別なライセンスは必要なく、地方自治体への届出制である。
・THCが0.2%未満の品種であれば、種子と茎(繊維と麻幹)だけでなく、葉や花穂もビール、ハーブ茶、エッセンシャルオイル(精油)、香料、医療用原料などの商品化に活用することは合法である。ただし、日本ではいかなる品種でも葉と花穂の利用が違法となる。

栽培管理・収穫

【整地】  
 麻は深根作物で、表土が浅いところでは十分な生育が期待できない。よって、前作の作物を収穫した後、プラウで深耕し、播種前にハロー(砕土機)をかけて土塊を細かく砕く。


【播種】
 繊維採取用の雌雄異株品種の播種量は180~200粒/平方m(45kg/ha)。雌雄同株の品種の場合は、同じ播種条件もしくは若干密度を薄くしての栽培となる。種子を採るためには、条播で畝幅75、株間30~75cmで、40~80粒/平方m(10~20kg/ha)を播種する。いずれの場合も直播で行なう(図1)。


【肥料】
 ドイツの例では、目標収量が10~15t/haの場合は、1ha当たり窒素100~150kg、リン酸50~75kg、カリ200~300kg、カルシウム150~200kg、マグネシウム40~60kgを施肥する。どちらも整地前に施肥を行なう。


【病虫害】
 麻は病気の発生がほとんどなく防除の必要はない。通常の栽培では土壌くん蒸剤、殺虫剤、除草剤は一切使わない。


【収穫】
 繊維採取の場合は、播種後110日ぐらいで収穫期となる(図2)。この時期になると茎葉は多少黄色に変色して下葉が落下する。収穫期が早いと繊維が細美で色沢も良好であるが、強さが不十分で収量が少ない。遅すぎると収量は増加するが、繊維が粗剛となって色沢も悪く、品質が低下する。EUでは、種子と繊維の両方が採れる雄雌同株の品種が好んで栽培されている(図3)。

 最初に小麦などの汎用コンバインで種子だけを収穫する(図4)。その後、茎をトラクタに取り付けた刈払機でカットして倒していく。ドイツでは、麻専用のコンバイン(図5)が開発された。雌雄同株用で、1時間に2~3haを刈り取ることができ、1台あれば年間500haぐらいまで対応可能。4.5mの刈幅を持つヘッダーを備え、3mのヘンプの茎を内部で60cmに切断し、同時に種子も採取する。240~280馬力のヘンプ・コンバインは、既存のコンバインをヘンプ専用に改造するのに約13万ユーロ(約1820万円)を費やしている。

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