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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
20歳のときに金髪・ブルーアイの10歳のオージーから教わったこと
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第64回 2013年08月21日
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国内仕様車 VS 輸出仕様車
オーストラリアの人口は研修当時の79年で1400万人、現在は2100万人を超えるまでになった。そして彼ら、彼女たちは車に乗る。V8エンジンで日本と同じ右ハンドル仕様の車が基本だが、街中を見ると日本車が全体の30%くらいだろうと思った。そしてトヨタ・カムリは日本や北米のみならずオーストラリアでも大人気である。
今回のオーストラリア・ツアーでは参加者に内緒のびっくり作戦を立てた。ツアー最後の締めとして、メルボルン郊外のアルトナ市にあるトヨタ・カムリ工場ツアーに参加した。私の家族が4輪駆動カムリを初代から乗り継いでいることもあり、59年から稼働しているこの国のトヨタ工場には昔から興味があった。
工場のツアー受付で所定の手続きをして中に入ると、外気温が28℃だというのに安全対策のために与えられたぶ厚い反射プレート付きのベストとヘルメットには参った。
興味があるとはいえ、所詮、自動車の工場なのだから今まで見てきた工場と大した違いはないと思っていた。ところが、何と車体全体をガルバナイズ処理、つまり普通の鋼板の数倍も錆に強いドブ漬け亜鉛メッキされた車体を使って組み立てられていたのだ。ちょっと難しい話ですね。日本国内の自動車会社は国内向けの自動車と海外向けだと装備に違いがあるのか?ということである。
少し昔の話だが、国内向けのフロント・ガラスは事故の時に飛び散る強化ガラスで輸出はヒビ程度で済む安全ガラス、輸出仕様はドアの内側にセイフティ・バーが入っているが国内仕様はなし。輸出仕様のハイマウントタイプのストップライトは国内仕様には存在しなかった。現在でもセルフ式のガソリンスタンドが普通なのに、ガソリン投入口の形状やノズルの形状が輸出仕様とまったく違い、国内仕様は米国仕様よりも安全とは言いがたい。ではなぜ安全・安心と日頃から念仏のように唱えている日本の消費者が国内で目の前を走る車の安全性を問題にしないのか不思議なのである。
トヨタのお客さま相談室にメールで問い合わせた。国内生産のカムリは車体全体を錆に強いドブ漬け亜鉛メッキされて組み立てられているのか? トヨタとの約束でここではお答えできないが、ご自分の車も一度、国内製と現地生産や輸出仕様と比較したら面白い結果が出るかもしれませんよ。
食も同じ。日本国内でつくられた農産物の品質が世界一??? ホー、なるほどね。信じる者は救われる、ですか。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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