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独断注目商品REVIEW

黄化葉巻病対策でトマトの商品開発は戦国時代へ



「桃太郎」の血を受け継ぐ

タキイ種苗(株)は、同社の代名詞といえる「桃太郎」の血を受け継ぎながら黄化葉巻病にも強い「TTM―076(桃太郎ピース)」の販売を始めた。適作型は5月下旬から7月上旬の播種の抑制栽培、あるいは7月下旬に播種する越冬栽培。果形は腰高で、裂果が少なく硬玉で店もちがよいという。
これまで「桃太郎」シリーズでは、青枯れ病や葉カビ病に強いなどの特性を持った多くの商品を誕生させてきた。今やトマトの栽培面積に占める同社が扱う種苗の割合は7割に及ぶ。「TTM―076」で市場シェアを一層伸ばしていく。

全国シェアNO.1の後継品種を

越冬作で黄化葉巻病に強い品種として国内最大のシェアを誇るのは「アニモ」。タキイ種苗の牙城を切り崩すべく、朝日工業(株)と(株)武蔵野種苗園が互いに持てる資産を投入して共同で開発し、販売してきた。「どのトマトよりも玉が硬くて棚もちが良い」ことなどが受けて、シェアを拡大してきた。ただ、ここにきて食味の向上を求める声が多いことから、同病の耐病性とともに良食味を持たせた商品を開発中。武蔵野種苗園は「1年以内に世に送り出したい」と意気込む。

最強の遺伝子を注入

ナント種苗(株)は2年前に「NTO―TY04」「NTO―TY05」を投入した。「黄化葉巻病が問題になっている本場の欧州の種苗会社から最強の遺伝子をもらって育種に活用した。だからとても強い。また青枯れ病と根腐れ病以外の地上部の病気にフルスペックで対応できる」。すでに販売している同社の黄化葉巻病に強い「大安吉日」は初期の草勢が強めで肥大は良好。しかし、中盤以降では草勢が落ちやすい。対して「TY04」「TY05」ともに後半まで草勢が維持しやすいという。
このほか、みかど協和は今年、早生の「TYみそら86」を世に送り出した。空洞化が出にくく、裂果が少ないため秀品率が高いという。
種苗各社ともにさらに耐病性を高めるほか、幅広い作型に対応できる品種を開発中。年内にまた新商品を投入するところもあり、今後の行方が注目される。 (窪田新之助)


ことば=黄化葉巻病
症状としては上位葉の葉縁や葉脈間が黄化するほか、葉が巻いたり縮んだりする。発病すれば早期に落花し、著しく減収する。媒介するのはトマト黄化葉巻病ウイルス(TYLCV)。国内では1998年に初めて発生が確認され、今では37府県に被害が広がっている。

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