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紀平真理子のオランダ通信

商業的大麻栽培

オランダは、大麻とソフトドラッグが合法な国であり、奇しくもそれが観光資源の一つとなっている。 2010年のマリファナ依存者は0・3%、中毒者は0・4%と想像より多くない。そんななか同年、政府はコーヒーショップ(法に従った一定量の販売と所持が許可されているソフトドラッグの大麻を含む製品を個人使用のために販売する小売店)で大麻を購入するための登録制度を導入した。この制度は地方自治体ごとに導入の可否が決められ、国境に近い南部の州はドラッグツーリズムを減らそうと登録制を取り入れた。じつはコーヒーショップには大きな問題がある。それは、“大麻の供給は違法”という政策が採られていることだ。そのため、合法な供給者がおらず、コーヒーショップは違法なサプライヤーから大麻を購入しなければならない。これが組織犯罪のまん延につながっている。
一方で、医療大麻に対する関心は高い。オランダには大麻を使った治療が有効な潜在患者が1万人いるといわれている。ただ、実際には2010年に約500人の使用にとどまった。問題点は、(1)医師や患者は大麻治療をタブーと考えている傾向がある、(2)政府が提供する大麻の種類が3種類のみ(ガンマ線照射が義務づけられており、細菌のコロニー数がコーヒーショップで売られている大麻よりも少ない)、(3)価格がコーヒーショップに比べ圧倒的に高く、保険対象外、ということだ。また、オランダの医療大麻はフィンランドやイタリア、ドイツに輸出されているが、現状では保険対象外、もしくは一部保険適用のため、価格面でも販路拡大が難しい。しかし現在、製薬会社が医療大麻をベースにした新薬を開発中であり、また政府は4種類目の医療大麻栽培の可能性調査の準備中であることから、近い将来、医療大麻への見方が変わるかもしれない。

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