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農業経営者ルポ

描いた夢、作る器にあわせて人は育つ

描いた夢、作る器にあわせて人は育つ。須藤久雄さんの話を聞いていて、つくづくそう思わされた。須藤さんは個人経営で3600坪、別に設立した法人経営の農園で4500坪という大規模な水耕栽培の温室を経営している。「ひがんで言うわけではないが、大きな借金もあるし人に語れるようなりっぱな経営者なんて自分は永遠になれそうもない。ただ自己満足を追い続けているだけだから。もしかしたら自分は死ぬまで発展段階なのじやないかな。もちろん、それでうまくいくという確信はある。でも、うまくいくからやるんではなくて、やりたいからやるんだ」

 描いた夢、作る器にあわせて人は育つ。

 須藤久雄さんの話を聞いていて、つくづくそう思わされた。

 須藤さんは個人経営で3600坪、別に設立した法人経営の農園で4500坪という大規模な水耕栽培の温室を経営している。

 「ひがんで言うわけではないが、大きな借金もあるし人に語れるようなりっぱな経営者なんて自分は永遠になれそうもない。ただ自己満足を追い続けているだけだから。もしかしたら自分は死ぬまで発展段階なのじゃないかな。もちろん、それでうまくいくという確信はある。でも、うまくいくからやるんではなくて、やりたいからやるんだ」

 人は須藤さんの大規模な経営や素晴らしい施設をみて、その能力を評価するかもしれないが、僕は須藤さんの可能性を追い続ける経営者としての姿にこそ興味がある。今、走っている須藤さんが肝心なのである。ある段階の結果への評価に自ら満足してしまうのであれば、その人はそこまでなのである。

 須藤さんにとって、現在は走り続けている過程であり一里塚にすぎない。温室公園だといってもよいほどの景観を備えた現在の農園からは、かつてそこが崖のような2.5haの畑だったという「過去」は想像もつかない。でも「現在」にたどりついてみると、今だから見える「未来」があり、見えればやらずに済ますことが我慢できない。かつてあれほど悩んだ借金は今ではその何10倍になっているかもしれないが、でも夢はさらにその何倍にも広がっている。失敗もあった。時には村のしがらみを断ち切らねばならぬこともあったかもしれない。それでも須藤さんは、つんのめるように走り続け可能性を追い続けてきた。

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