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特集

畑の石を処理する

先祖代々の努力によって除石作業が続けられてきた府県の農地では畑の石が問題になることは少なくなりつつあったが、畑地基盤整備事業の推進などにともない、圃場の石礫除去をあらためて重要な課題としてもちあがってきた。また基盤整備を終えた北海道においてもいまだに石の悩みをかかえる圃場が多い。国内で入手できる除石作業用機械を一挙に紹介する
 作土中の石扉は機械作業時の障害になり機械部品の消耗を早める。さらにゴボウ・ニンジン・ナガイモなどの生長を妨げ、変形の原因ともなるし、そもそも石が多いということはそれだけ作物生育に有効な養分供給源としての土が少ないということでもある。また収穫物への石陳混入は選別作業の手間を増やす。石の多い地域では収穫したバレイショを洗浄する際に水選別を行なっている例もある。

 圃場における石扉除去関連の機械としてはストーンピッカ(ロックピッカ)とストーンクラッシャ(ロッククラッシャ)がある。ストーンピッカは、そのほとんどが土層中にショベルを入れてコンベアでかき上げ、コンベア(またはコンベアとドラム)で石と土を選別するという構造である。これに対し、ストーンクラッシャはハンマで表層あるいは土中の石をたたき、細かく砕いてゆく機械である。

 いずれにせよ、除石作業の前には何らかの形で作土を膨軟にし、作業しやすくしておくことが望ましい。とくに粘性の高い土質の場合は、前処理後しばらく問をおくことにより作土が乾燥し、上と石が分離しやすくなる。石が少なければプラウで反転させておくことも有効だが、本格的な除石作業の前処理にはチゼルプラウやヘビースプリングカルチベータなどによる撹土作業が必要になってくる。

 今回の特集では、ストーンピッカとストーンクラッシャ、および前処理用の機械を中心に各社の石陳除去関連機械を概観したい。その性質上、基盤整備事業などで使われるか、あるいは公的な組織で所有するのに適当な機械が多い。


前処理用機械


 除石の前処理作業にはストーンリッパやストーンアッパなどの専用アタッチメントもあるが、手持ちの作業機で済むのであればそれにこしたことはない。

 大面積でなければディガや振動掘取機で石を浮かしておくことが考えられる。石が少ない圃場で、また耕深が浅くてもよければロータリで間に合うケースもある。しかし、石が多く、また土が比較的硬い圃場ではヘビースプリングカルチベーダなどによる前処理が必要になる。


【振動掘取機MS/MMシリーズ Uタイプ】
(株)広洋エンジニアリング

【スーパーチゼルSRシリーズ】
阿部農機具製作所

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