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【今年の市場相場を読む】
周年でも需要がある季節野菜 ナノハナ/ソラマメ/ズッキーニ/エダマメ
- 第206回 2013年09月24日
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ナノハナ
半年以上のブランクへの対応を。アブラナ系の「はなっこりー」に期待
【概況】
東京市場のナノハナの入荷は、2~3月に6、700t規模でピークを形成する。4月になると途端に入荷は1/3に減り、5~11月の半年以上にいたってはほとんど入荷しない。6割のシェアを占める千葉が主体となって典型的な季節野菜の地位を確立した。11月から始まる福岡産も、春に出てくる東北産も、その季節野菜の早出し、遅出しという位置関係にある。この季節性は業務需要から強く支持されている。
【背景】
しかしその一方で、こうしたアブラナ系の野菜は年間にわたって需要がある。ポエム菜やアスパラ菜などの同系野菜は各地に生産があり、また中国本土や台湾、香港などの本場の中華料理圏では周年需要に対応するための年間供給体制が整っている。ナバナはおひたしなどの需要に特化されがちだが、本来はいためても色が変わらず、かえって甘みが増し、どんな料理法にも合うなどの優れた調理用野菜なのである。半年以上のブランクはもったいない。
【今後の対応】
もちろん、この季節限定の状況を主産地の千葉が黙ってみているだけではない。周年は無理でも販売期間の長期化を目標に、県試験機関では高温期対応品種の開発に着手しているほか、山形県の試験場では典型的な中国野菜であるとブロッコリーとの交配種をもとに、9~6月の作型別に品種改良した「はなっこりー」の導入を検討している段階だ。厳密にはナバナの代替品種ではないが、有望なアブラナ系の軟弱野菜である。
ソラマメ
季節限定需要を狙う体制は限界。夏秋の生産拡大は加工も意識
【概況】
東京市場のソラマメの入荷は、年内から始まる鹿児島産と関東の主産地である千葉産が重なる4~6月の間に1000~1500tものピークを形成する。その後、東北産が7月に入荷すると年末まで入荷がない。季節野菜の入荷パターンであり、季節限定の大きな需要を狙った生産体制なのだが、深刻なのは鹿児島産を含む全体の入荷量が10年前に比べ半減していることだ。生産出荷体制の長期化が課題の品目である。
【背景】
ソラマメは、露地栽培ゆえの生産、相場の不安定さと、出始めはカサの割に高く、ピークは突然やってきてあっという間に終わる。販売面からみたらチャンスロスのある品目だ。もっと安定的で平準化されていれば、購入も消費も進むだろう。市場関係のなかには、ソラマメはエダマメが出るまでの商品、などと言う向きもあるが、それは業務用需要を意識したもので、一般消費者にとっては店頭にある限り購入対象になる。夏から秋の生産拡大がカギだ。
【今後の対応】
冬の安定した時期に、鹿児島産に先立つ沖縄の生産導入もポイントだが、夏、秋の東北、北海道産地の奮起が待たれる。宮城や北海道の十勝地区などのソラマメの既存産地が生産を復活させることのほか、露地栽培の不利をカバーするためのむき豆や冷凍加工、さらに豆板醤加工なども積極的にチャレンジしてほしいもの。ソラマメは、一般消費者にも愛好家が多く、外食産業でも供給があれば周年メニュー化したいというニーズがある。
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