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田牧一郎のカリフォルニア稲作便り

7年目の春。今年も作業と諸届けを並行して進めなければならない忙しい時期が巡ってきました

カリフォルニアもだいぶ気温が上がり、コメ作りの春作業を始める時期になりました。私はカリフォルニア州ウィリアムズでコメ作りを始めて、今年で7年目を迎えます。福島県の郡山市でコメ作りをしていた私ですが、思うところあって1989年6月こちらに引っ越してきました。一時は「国を捨ててアメリカに移住した」とか「アメリカでコメを作って日本に売り込む気だ」とかといろいろと言われてきました。しかし、何をしているのかと尋ねられたとき、本当に答えたいことを一言で言い表わすなら、それは『勉強しています』です。カリフォルニアのコメ産業から、将来の日本でのコメ作りに役立つ技術やシステムを学び、それを日本で実行することが私の大きな目標であり、自分の使命とも考えています。
 カリフォルニアもだいぶ気温が上がり、コメ作りの春作業を始める時期になりました。私はカリフォルニア州ウィリアムズでコメ作りを始めて、今年で7年目を迎えます。

 福島県の郡山市でコメ作りをしていた私ですが、思うところあって1989年6月こちらに引っ越してきました。一時は「国を捨ててアメリカに移住した」とか「アメリカでコメを作って日本に売り込む気だ」とかといろいろと言われてきました。しかし、何をしているのかと尋ねられたとき、本当に答えたいことを一言で言い表わすなら、それは「勉強しています」です。

 カリフォルニアのコメ産業から、将来の日本でのコメ作りに役立つ技術やシステムを学び、それを日本で実行することが私の大きな目標であり、自分の使命とも考えています。

 その「思うところ」、「得たもの」についてはだんだんにお話しして行くつもりです。

 私は1952年12月郡山市の農家の長男に生まれました。コメ作りを何の抵抗もなく受け入れ、義務教育を終わるとすぐに就農しました。以来28年間コメ作りを繰り返してきたことになります。その内の7回はカリフォルニアのコメ作りに関わり、日本とは違ったコメ作りを勉強することができました。

 現在は、ここカリフォルニア州の約80臨の圃場 (20haの自作地と60haの借地)でコメ作りをしています。一昨年まではこちらでは普通の中粒種の生産を行なっていましたが、昨年から短粒種の生産を本格的に開始しました。作業は大型機械作業や飛行機作業を委託に出し、自前ではトラクターによる施肥・播種や管理作業を行なっています。

 昨年までは精米会社の経営にもあたっていましたが、今年からは精米会社を離れて専業農家になりました。従業員はとくになく、日本からの実習生の諸君が作業の手伝いをしてくれています。

 現在は長期実習生1名のみですが、短期間の研修者が訪ねてくれたりして、時にはにぎやかに314人が集まる時もあります。彼らはそれぞれいろいろな目的があって来ています。言葉や習慣の違いから苦労も多いと思いますが、ここで日本とは違ったコメ作りや生活を体験するということがそれぞれの人生の役に立つことを期待しながら、一緒に勉強しています。

 私も約20年以上前になりますが、国際農友会実習生として1年間カリフォルニアのコメ農場で勉強させてもらった経験があります。何もわからない臆病な20代の青年がカリフォルニアでも大きいコメ作り農場に入り実習をさせてもらいました。コメの生産から精米・販売まで見せてもらい、体験をさせてもらいました。一緒に仕事をしていたメキシコ系の人たちとの毎日が、今でも印象深く心に残っています。

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