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海外レポート

東アフリカ・ケニアの農業ビジネス探訪 番外編




ケニアのバラとの出会い

 ケニアでは、ウィークデーは村でNGOの活動に携わり、週末はナイロビで映画を観たり、ショッピングをしたりして過ごすという生活でした。そのナイロビのアパートの隣に花屋さんがありました。花屋といってもテントの下で、バケツに切り花を生けてあるだけの質素なものなんですが、その中にすごくきれいなバラがあったんです。私は生け花の師範の免状を持っていて、花に関わる機会は多かったのですが、こんなバラを見たのは初めてでした。大きさ、鮮やかな色、グラデュエーションや模様といい、こんなにゴージャスな花があるのかと衝撃を受けたんです。思わず売り子の男性に「これは何の花ですか?」と聞いたら、不思議そうな顔をされ「バラだよ、日本にはバラがないのかい?」といわれました(笑)。でも、それまで自分が知っていたバラと同じとは思えないほど、びっくりしたんです。


―― それがバラとの出会いだったんですね。

 はい、ケニアにこんなきれいなバラがあるなんて知らなかったので、それからネットでケニアの切り花産業について調べてみました。すると、ケニアのバラがたいへん品質がよくて、オランダを初めヨーロッパ諸国に大量に輸出されていることを知りました。標高が高くて、昼夜の寒暖の差が大きくて、日照時間が長いことから、ケニアを初め東アフリカがバラ栽培にきわめて適した生育環境であることも知りました。しかし、ヨーロッパでは広く知られているケニアのバラなのに、日本にはほとんど輸出されていなかった。商社経由で日本の市場に卸されてはいるのですが、お店では、産地のわからない状態で売られているんです。

 こんなにすてきなのだから、ケニア産のバラと銘打って付加価値をつければ日本でも売れるのではないか。そうすればケニアに雇用機会を作って、貧困問題の解決の一助とすることができるかもしれない。親に仕事があれば、子どもは学校に通えます。それを援助という依存的な関係ではなく、ビジネスとして成立させられれば、双方にとってウィンウィンの関係が築けるのではないか。そう思うとわくわくしてきました。そしてNGOとの契約が切れた半年後、日本に帰国して、起業の準備を始めました。


―― 具体的にどのように事業化しようというプランはあったのですか。

 いいえ、経営をした経験などないので、どこから始めればいいのか見当もつかなかったですね。輸送、関税、検疫、顧客の開拓についても、なにもわからないゼロの状態でした。でも、あまり深く考えず、自分のできる範囲内で前向きに取り組もうと思い、まずはケニアに住んでいる友人に小口からでも輸出してくれる生産者を紹介してもらいました。インド系ケニア人で、14年前から一家でバラ栽培の農場を営んでいる方です。その生産者の方にサンプルを送ってもらうところから始めました。

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