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特集

農業での雇用を考える


産業として独立した農業にするために、私はクオリティーの高いプロとしての仕事を常に意識する。だから、社員たちが機械を普通に使えるというだけでは許さない。ワンランク上の仕事を求める。ロータリーハローをかける作業一つとっても、上手に機械を使いこなして質の高い耕うんをしてほしいと思っている。
農場長は機械が好きで、機械を使った仕事がうまい。現在は、彼が全員に指導してくれている。仕事が終わってから、紙に書いて説明したり、畑で実際にプラウやロータリーハローを使ってみせたりしている。機械作業については、ある程度のマニュアル化は必要だと思うが、マニュアル化しすぎると自分で考えなくなるのが心配である。「ここをこうするとどうなるか?」と考えながら、臨機応変な対応をしてほしいと思っている。
また、播種時期や肥料、農薬の散布時期などの仕事については、作物を見る目を育てさせたい。何月何日に何をするというようなマニュアル化はしていない。こんなときはこんな肥料や農薬を散布するというふうに、作物の生育ステージを理解したうえで、作物を目で見て判断するよう伝えている。マニュアル化してしまうと、作物が土壌の窒素をまだ吸い切っていないのに、また窒素を与えるというようなことをやってしまう。ただ、作物の生長は1年に1回しか見られないので難しい。自分もいまだに迷うことがあることから、社員にとっても難しいだろう。

【社員も経営者も責任を果たす】

私たちの会社では、入社から3年経つと、1人で一つの作物を担当するようにし、「その作物から生まれてきたぐらい勉強しなさい」と伝えている。これは、一人ひとりに栽培と収益に対する責任を持ってもらうためである。社員全員が、収量、売上、資材などの直接経費を日報として記録し、冬期に日報を精査して収益に応じて賞与に反映している。担当作物の売上から経費を引いて得た利益の●%が賞与だと知らせてある。また、肝心な作業を忘れた、機械をミスで壊した、追肥を忘れた、といったことが起きないよう、作業に対する評価も併せて賞与額を決めている。
こうして社員たちに責任を持ってもらう代わりに、私も経営者としてはできるだけのことをしようと努めている。基本給の昇給もしており、会社の業績によっては据え置きの年もあるものの、少額だとしてもできるだけ上げている。社員の年収はこの地域の他の産業と同程度である。
雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険も完備している。彼らは、農業という職業を選択して入社したわけだから、農業だけが他の産業と違うと思ってほしくはない。農業法人も会社としての保障があると安心してほしい。

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