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【弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖】
農地の賃貸借において、地主が一方的に契約解除できる契約は有効か
- 弁護士 戸出健次郎
- 第4回 2013年10月21日
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【回答】
ご質問のような特約は無効です。
【解説】
期間の定めのある賃貸借契約かどうかで結論は変わらないのですが、法的な考え方が異なるので、以下のとおり分けて考えます。
1 期間の定めがない賃貸借契約の場合
賃貸期間が定められていない契約の場合、本件のような特約の有無に関わらず、原則として、各当事者はいつでも解約の申入れができます(民法617条1項)。
しかし、例外として、収穫の季節がある土地の賃貸借については、その季節の後次の耕作に着手する前に、解約の申入れをしなければならないとされており(民法617条2項)、賃借人にとってこれより不利になる賃借条件は無効となります。
本件のように「賃貸人がいつでも解除できる」という特約は、収穫季節後、次の耕作に着手する前に解約申入れをなすことを要するという期間限定があるケースよりも、賃借人にとって不利であることが明らかですから、無効となります。
2 期間の定めがある賃貸借契約の場合
賃貸期間が定められている契約の場合、本件の特約は、解除権を留保した特約となります。ただ、この場合も、期間の定めがない契約の考え方が準用され、収穫季節後、次の耕作に着手する前に解約申入れをなすことを要するという期間限定があるケースよりも、賃借人にとって不利な特約と解され、無効となります。
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戸出健次郎 トデケンジロウ
弁護士
平成12年 学習院大学法学部卒、平成19年 弁護士登録(第一東京弁護士会所属)、平成22年 悠綜合法律事務所パートナー、平成22年度第一東京弁護士会代議員、専門分野:農業分野(法務、税務)、不動産関連業務。
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