記事閲覧
マイタケ
微増の背景には変わらない単価高。品種見直しと需要開発がテーマに
【概況】
東京市場のマイタケは、03年対12年では6%程度の伸びにとどまっている。夏場と冬場の格差は数量で1・6倍、単価は2倍近いが、伸び切れない最大の原因は、この間の単価がほぼ変化がないことだろう。雪国まいたけの独壇場のように見えるものの、市場入荷ではシェアは64%程度。近年、静岡の伸びが著しく、先行していた群馬、長野を押さえて2割のシェアを持っている。ホクトの静岡工場からの出荷増大が背景にある。
【背景】
雪国まいたけの独占市場にホクトが参入して10年近くが経つが、小分け品やミニマイタケなどの商品化は単価高をカバーするだけの対応であって消費促進にはなかなかつながらない。マイタケの天ぷらなど業務・外食需要は徐々に伸びているものの、家庭需要には直結していない。他のキノコ同様に行なわれている季節価格戦略も、需要期の鍋需要に結びつかないのなら意味がない。このままだとキノコの品ぞろえどまりになりかねない。
【今後の対応】
鍋などの汁物には、マイタケは黒い色が出てしまって見た目が良くない。これに対応するための白マイタケの普及が遅れているが、白いとマイタケらしくないといった声もある。従来からの産地ではマイタケの天ぷらなどが名物になっていることからすると、季節に関係なく需要は創造できるはずだ。メーカー型生産が大勢を占めるのであれば、マージンミックスと価格コントロールは可能である。そもそも高い単価をさらに上げる必然はない。
エリンギ
47%の増加はキノコ類での成長頭。ミニタイプの普及がカギになるか
【概況】
東京市場のエリンギの入荷は、03年対12年では47%も増え、マイタケより多くなった。同様に夏場と冬場を対比させると、数量1・3倍、価格1・8倍とシイタケを含めた主要キノコ5品のなかでは最も格差が小さい。これは、季節間での需要にあまり差がなくなっていることを意味しており、周年需要が発生している。過去10年で単価は3割近く安くなり、需要喚起に大きく貢献した。鍋物には向かないため、冬場に高い必然性はない。
【背景】
エリンギの食感はマツタケに似ているためか、なぜか秋に需要が急増する。また、鍋物には向かないが、シチューやトマト煮などの煮込み料理や焼き料理によく合い、やはり寒い季節に需要がある。エリンギはホクトが普及の先陣を切っていたものの、今や雪国まいたけをはじめ、他のメーカー系、農業系などでも生産がある。シェアは長野55%、新潟31%だが、地場生産・流通系のものも出現している。今のところ、マイタケより伸びしろはあると見る。
会員の方はここからログイン
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)