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特集

フェイスブックで切り開く農業の可能性


そうした多種多様な人たちがいるからこそ、フェイスブックを通じてよりよく学び合えているようだ。農業改良普及員でもある森下さんは「フェイスブックでたくさんの意見を聞くと、正解は一つではない、考え方は色々とあるというのがよくわかりますね」。また、高瀬哲二さん(40)は「ちょっとした質問を投稿すると、こんなことでもわかっているようでわかっていなかったなと諭されます」
筆者が「ベテランばかりが教えることになるのではないですか」と問いかけると、柴田さんが次のように答えてくれた。
「一方的にベテランが出しっぱなしになるわけではない。自分があやふやにしていたところがはっきりすることはあるんだよね」
全国各地に会員がいることにも意義がある。10月16日に台風が来襲した際、「台風被害どうなのですか?」「どんな薬使いますか?」という投稿があった。これに対し、台風銀座”と呼ばれる鹿児島県指宿市の大吉枝美さん(38)は元看護士らしく次のようなコメントを寄せた。
「この度は台風被害お見舞い申し上げます。指宿の台風被害後の薬剤散布が参考になればと思い投稿します。台風後に出来る手当をします。家の場合ですが……ダコニール1000倍+カルシウム資材で散布 人間が怪我をした場合と同じ考えかたで ダコニールで消毒した傷口に カルシウム資材でカットバンをしてあげるイメージです。去年はこの対策でのりきりました。」(原文ママ)

地域によって集められる情報は違う。多方面から情報を得る環境をつくることで経営を発展させているのだ。
彼らが強調するフェイスブックのもう一つの利点は、日常的に情報を交換したり、それを閲覧したりすることで、実際に会ったときに話し合いがスムーズに進むこと。大成会は年に10回ほど視察や会合を用意し、各地のメンバーが久しぶりに顔を合わせる。そんなときでも議論の土台はフェイスブックですでに築いているので、限られた時間内で濃密に語り合えるという。

【議論を活発にする「いいね!」や「コメント」】

最後に会員の閲覧を増やして、議論を活発にするコツを柴田さんの投稿に見た。
柴田さんは投稿する写真に文字を書き入れる。そこには喜怒哀楽を表現した自身の顔写真も投稿の内容に応じて添付する。また、得意とする機械の修理法の手順や試した薬剤の効果を時系列で伝えるのに、複数の写真を並べるなど、人の関心を引くための工夫を凝らす。
フェイスブックの閲覧者を増やす点では、柴田さんは「コメント」や「いいね!」の回数が大切と思っている。フェイスブックの機能として、閲覧者が投稿の内容を支持する「いいね!」というボタンがある。何度押されたかは常に表示されている。最初に紹介した抵抗性コナガのやりとりが盛り上がりを見せる中、柴田さんはこんな「コメント」を寄せた。

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