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江刺の稲

飼料稲増産に「待った」をかけよう!

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第211回 2013年11月20日

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政府は減反廃止、稲に対する交付金1万5000円の減額、その他の農業改革を進めることの対価として、水田での「飼料米」「稲WCS」生産の拡大およびそのための交付金積み増しを農業団体と政治取引したようだ。一連の農政改革は支持できるものだが、飼料稲の増産に対しては水田イノベーションを妨害するものとして強く反対したい。
下の表は平成17年度~25年度の飼料用米・稲WCSの作付面積とそれに対して支払われた交付金の額を示したものだ。これをみると、24年度に総計で6万197haまで拡大した飼料用稲生産は25年度には逆に4万8848haまで減少している。多くの農業経営者が8万円、9万3000円といった過大な交付金を付けてまで政策的にあおられる飼料用稲に対して危うさを感じているからではないだろうか。にもかかわらず、その交付金を積み増ししてまで増産するというのだ。
さらに、筆者が計算したところでは、25年度でそれに対して支払われた交付金額は飼料用米および稲WCSの合計面積約4万8000haに対して425億円に達する。この面積で経営所得安定対策用の予算として概算決定されている水田活用の直接支払交付金2517億円の約17%を使っている。交付金の増額でまたしても面積が増えてしまうのではないだろうか。

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