記事閲覧
【新・農業経営者ルポ】
ジャガイモで1億を稼ぐ九州男児
- (有)アグリパートナー宮崎 岩切久義
- 第114回 2013年12月25日
- この記事をPDFで読む
宮崎空港から日向灘沿いに北へ約40km離れたところに岩切が拠点を置く川南町がある。日本三大開拓地の一つとして知られ、戦後、軍用地の開放などで全国から入植者が集まった。降水量は年間2300mm前後と多いものの、温暖な気候に恵まれ、西の尾鈴山地から東の海岸に向けて緩やかな傾斜を持つ黒色火山性土の広大な台地で畜産を中心とした農業が営まれている。
そんななか、岩切は、時代とともに3本柱のウエイトを調整しながら農業に携わってきた。まずは生い立ちから紹介したい。
岩切の父、重藏は53年、隣町の高鍋町からこの地にやってきた。ジャガイモやてん菜、サツマイモ、小麦、ダイコンといった畑作物の生産の傍ら、農作業の請負もしていた。父の背中を見て育った好奇心旺盛な岩切は、小学生のころから耕うん機を扱い、その操作もうまかったという。高学年になると、父が受注したセンチュウ駆除の土壌消毒を自分1人でこなすようになり、機械をセットして町内一円を回る。脱穀作業もお手のものだったそうだ。
その間、後継者と目されていた長兄を亡くす不幸もあり、次男の岩切は将来を見越して全寮制の農業高校へ進学することを決める。しかし、高校受験の1週間前に父が急逝した。家業を放り出すことはできない。悩む間もなく進学先を通学の分校に切り替え、母と2人の姉に協力を得て“経営”に取り組む。すべては、アメリカのような大型機械を駆使したスケールの大きい農業がしたいという一心からだった。その一端を示せば、高校1年のときに卒業後の布石として母親名義で資金を借り入れて32aの農地を購入したり、父の代から養蚕にシフトしていた流れで卒業前にはオイルショックで物価が高騰するのを見越して90坪の養蚕室を建設している。
70年代半ばの25歳で経営面積は7haに達した。
そんななか、岩切は、時代とともに3本柱のウエイトを調整しながら農業に携わってきた。まずは生い立ちから紹介したい。
岩切の父、重藏は53年、隣町の高鍋町からこの地にやってきた。ジャガイモやてん菜、サツマイモ、小麦、ダイコンといった畑作物の生産の傍ら、農作業の請負もしていた。父の背中を見て育った好奇心旺盛な岩切は、小学生のころから耕うん機を扱い、その操作もうまかったという。高学年になると、父が受注したセンチュウ駆除の土壌消毒を自分1人でこなすようになり、機械をセットして町内一円を回る。脱穀作業もお手のものだったそうだ。
その間、後継者と目されていた長兄を亡くす不幸もあり、次男の岩切は将来を見越して全寮制の農業高校へ進学することを決める。しかし、高校受験の1週間前に父が急逝した。家業を放り出すことはできない。悩む間もなく進学先を通学の分校に切り替え、母と2人の姉に協力を得て“経営”に取り組む。すべては、アメリカのような大型機械を駆使したスケールの大きい農業がしたいという一心からだった。その一端を示せば、高校1年のときに卒業後の布石として母親名義で資金を借り入れて32aの農地を購入したり、父の代から養蚕にシフトしていた流れで卒業前にはオイルショックで物価が高騰するのを見越して90坪の養蚕室を建設している。
70年代半ばの25歳で経営面積は7haに達した。
会員の方はここからログイン
岩切久義
(有)アグリパートナー宮崎
宮崎県川南町。●業務内容/加工用ジャガイモの生産、ブッシュチョッパーを使った竹やぶの伐採、コントラクターなど●経営面積/約60ha(ほとんどが借地、42haで加工用ジャガイモの生産)●労働構成/社員10名
農業経営者ルポ
ランキング
WHAT'S NEW
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2020/12/17)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2020/08/07)
