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特集

信頼されるブランドをつくる広報~ブランドの価値を見いだす~


「ネット通販は、ターゲットの世代が合わないのかなと思っています。むしろ、カタログ代わりですね。野菜は見て買いたいというのもあるでしょう」

【野菜は見られている】

顧客に見られているととらえ、販売時に傷んでしまうことで顧客の信用を失ったり、傷みによるロスを出してしまったりしないよう、パッケージの工夫も重ねた。
「井出さんのだからと思って買ってくれたお客さんが手にした製品が傷んでいると、選び抜くお客さんに変わってしまいます」
わいわい市に初めて出したとき、出荷したトマトの5割がぐちゃぐちゃになって戻ってきた。袋詰めしたトマトが、袋の中で崩れると店頭では買ってもらえない。見た目がきれいなものを選んで買っていく消費者の姿を観察し、パッケージが悪いのだろうと気づいた。
そこで、試行錯誤を重ね、崩れないよう袋への詰め方を工夫したり、きれいに大きく見えるようにトマトの大きさを合わせたりした。袋もオリジナルの大きさのものを特注している。現在は、3個詰めならこのパターン、4個詰めならこのパターンというように決まった梱包を行ない、作ったものが無駄にならないよう気を配っている。

【テレビ放映を機に売上急増】

トマトジュースなどの加工品を作り始めたのをきっかけに、10年にリーフレットをつくり、ウェブサイトも立ち上げた。同年4月にはネット通販も整えた。その少し前の2月に、日本テレビの番組から取材の申し込みが入り、4月に放映される。これが大きな反響を呼んだ。
「番組の放映後、6時間で3000件の注文が入りました。メールも見きれないんですよ。次の日、直売所に600人が押しかけてきて、この辺が車だらけで騒然としました。それまで直売所の売上は1日平均1万3500円でしたが、この日は42万円の売上になりました。作ったばかりのウェブサイトは、1日で約5万ページビューに達しました。その日から80日間、睡眠時間が3時間の日々が始まりました。それまで一切無名だったのに」
もちろん、売上は急増した。だがこれは、テレビの放映後だけの一過性のものではなかった。
「何とか売上を落とさないようにと思いました。まじめにやり続けた結果、リピーターが多く、それ以来、年々増えています」

【メディアの活用】


「農家も宣伝しなければと思ったんです」
余裕が出てきたので、看板広告も地域に掲示し始めた。
ウェブサイトは、知り合いのデザイナーに依頼して制作した。そのデザインが印象的で、写真がきれいなため、広告代理店などがCMの背景などで使わせてほしいと撮影に来ることが増えた。CMに登場したことを、「ここに写っているトマトは井出トマト」といった具合に、許可をもらってブログで発信したりしている。ブログは、プレスリリース代わりにもなっている。

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