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特集

信頼されるブランドをつくる広報~ブランドの価値を見いだす~


「まずは、当社を知ってもらう入口を軽くしよう、手土産として買ってもらおうと思ったんです。よく見たら原材料は六星だったと知れば、次は当社のコメを買いに来てくれると期待しています」

【農業の維持・発展が使命】

同社は、創立時から36年間、「農業の維持・発展」が使命だと考えてきた。コメの生産に加え、餅やかき餅などの加工品を製造・販売するところまで発展したのはこのテーマのとおり、地域の農業を守るためだった。それが同社の責任として強く認識されたのはバブル全盛期のころである。
当時、コメを作り、餅とかき餅を作って売るというスタイルが順調に続いていたが、さらに請負が増えていく中、歳をとったら続けられないと判断した。そのとき、コメづくりの請負軒数が約100軒で面積が約80haになっていた。地権者に水田を返したいと相談に行ったところ、そう言われても困ると全員から返答されて気づく。
やりたい、やりたくないではない。自分たちは地域の中核農家になっていて、地域の期待を背負っている。やめるという選択肢はないのだ、と。そこで、会社化して、やりたい人を入れ、後継者を育てていこうと構想する。実現したのは07年のことだ。
「今、140haぐらいの農地があるんですが、95%以上が近隣の方の土地です。言い換えれば、当社が耕作している土地は私たちが社会から託された土地なんです。最大の使命は、この近隣の土地を維持することです。請け負ったら続けていく。地味ですけど、持続させるのが事業としての社会的責任だと思っています」

【「広報=パブリック・リレーションズ」で育てるブランド】

同社は、地権者や地域の期待に応えながら企業ブランドを育ててきた。これは、広報の本来の意味を実現している。広報は、英語でパブリック・リレーションズといわれるとおり、「社会との良い関係づくり」だからだ。
社会というと広いが、主にステークホルダー(利害関係者)との関係づくりに当たる。
最初のステークホルダーは地権者だった。今では、百貨店や高級スーパーなどの小売店、飲食店、そこで購入する消費者、直売店の来店客、通信販売の客、シールや袋、機械、肥料を提供する業者、衛生管理などのコンサルタント、JA、行政、県の農業関係機関、農業関係者の団体、業務提携をしている専業農家に、100人近い従業員も加わる。
同社は、これだけ多くのステークホルダーとどうやって「良い関係」をつくり、ブランドを育てているのだろうか。

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