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弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖

農地の相続人の1人が行方不明の場合、他の相続人は、当該農地を処分できるのか

【質問】 自らの所有農地にて農業を行っていた父が亡くなり、この農地を相続をすることになりました。 相続人は、私と、私の弟の2人ですが、弟とは3年ほど前から連絡が取れず、音信不通の状態です。私も弟も農業の経験がないですし、近隣農家の方で当該農地の購入希望者がおられるので、私としてはこの方に売却をしたいのですが、私1人で売却しても良いのでしょうか。 本来、弟と相談すべきことはわかっているのですが、弟が行方不明なので困っています。


【回答】


独断で売却をすることはできませんが、弟さんがおられなくても売却をする方法はあります。

【解説】

1 不在者財産管理人の選任
不在者財産管理人とは、その名のとおり、不在者の財産を管理する者であり、ご相談者の方が、家庭裁判所に対して申立をすれば選任されます。通常、弁護士等職務上の中立性が確保されている立場の人間が選任されます。
申立に際しては、弟さんの戸籍謄本等、形式的な書類の他、弟さんが不在であることを証する資料の提出する必要があります。例えば、弟さんの住民票所在地に弟さんが居住していないことを証言する付近住民の証言や、住民票所在地の現況を撮影した写真、住民票所在地に別人が居住している場合であれば、それを示す資料等を用意する必要があります。

2 不在者財産管理人の役割
主な職務は、不在者の財産目録及び裁判所への報告書を作成し、不在者の財産を「保存・管理」することです。
つまり、不在者財産管理人の第一の職務は、弟さんの財産を弟さんに代わって「現状で維持する」ことなので、ご相談者が、相続財産を勝手に売却することはできないということになります。
ただし、家庭裁判所の許可を得た場合、不在者財産管理人は、「保存・管理」を超えて「処分」すなわち、売却や賃貸等をすることができます。
つまり、ご相談者は、不在者財産管理人の選任を家庭裁判所に申立た上で、選任された不在者財産管理人に、権限外行為の許可を家庭裁判所に求めてもらうことで、当該農地の売却が可能になる場合があります。

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