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日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

植物工場での医薬品原料の生産




原料の麻は植物工場で栽培


サティベックスの製造と供給を担当するGW製薬は、原料としてスーパースカンクという高THC品種とトルコ系の高CBD品種の2種類の麻を植物工場で栽培している(図2)。年間生産量は50~60tで、上限100tまで認可されている。
ここでの麻の生育サイクルは12週間である。苗は種子から育てるのではなく、親株から枝を切り取り、挿し木によって専用の培地で育成する。2週間経過した時点で有機肥料を入れた培地に移植し、1台のトレーで約200本の麻を育てる。気温21度、湿度38~45%に保たれた工場内を1週間ごとにトレーがレールの上を移動するのは生育期間を短くするためだ。生育途中で剪定はせずに、先端に花穂(バッズ)が一つだけできるように育てて、背丈が1mになった時点で収穫する。完全無農薬栽培を実現しているが、唯一の害虫はアザミウマと赤ハダニで、大量発生したらトレーごと全処分となる。
収穫後は液化二酸化炭素で成分抽出して濃縮し、マイナス20度で原液を管理する。高THC品種の原液を「テロラナビレックス」、高CBD品種の原液を「ナビディオレックス」とし、それらの原液を半分ずつ混合したものがサティベックスという医薬品になる。
同じ麻の医療利用でも医薬品サティベックスとハーブとしての麻との違いは大きく3つある。
1)利用する成分:ハーブとして利用する場合は約100種類の品種から自分の疾患や香りなどの好みにあったものを選べる。サティベックスは、THCとCBDの2つの成分だけでペパーミントで風味を加えている
2)酩酊効果:患者の摂取目的は気分がハイになることではないので、サティベックスにはTHCの作用を打ち消すCBDが半分入っている
3)品質管理:閉鎖型植物工場での栽培と細菌やカビなどの品質管理の徹底により医薬品の製造基準を満たしている
実際に使った人の声を聞くと、の違いから、ハーブとしての麻のほうが好まれている。ハーブとしての麻も植物工場で生産しているものが多く、最近では元マイクロソフトの役員がマリファナ工場ビジネスを発表して話題になったほどだ。
GW製薬の研究成果は、THCとCBDの比率の違いによってターゲットになる治療分野が異なることを明らかにした点だろう(表1)。大塚製薬とGW製薬のカンナビノイド医薬品の開発状況を表2に示した。米国での臨床試験はガン疼痛でフェーズまで実施されている。続いて、モルヒネなどの従来の鎮痛剤が効きにくい神経障害性疼痛、糖尿病、炎症の臨床試験が行なわれている。特に精神障害では統合失調症がターゲットで、従来は大麻を吸うと併発するとされてきたが、今では逆に改善する薬として研究が進んでいるのである。

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