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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

この300石の乾燥機は売り物ではありません……

2002年、第30回国際農業機械展が帯広の南東にある北愛国交流広場で開催された。8月23日から十勝に入り、知人宅を訪問して翌日訪れることになる農業機械展に心を弾ませていたのだが……。 当時、私にはその機械展に行かなければならない理由があった。父の代に作った麦と大豆の乾燥場が古くなり更新時期を迎えていたのだ。農場には定置式のものもあったが麦の乾燥には対応できなかったので、国産の一般的な60石や80石の乾燥機を考えていた。
会場に着くとお目当ての乾燥機が所狭しと展示され、なかでも300石(45t、実稼働36t)のシズオカが販売する乾燥機のパンフレットが目に入った。これからはこんなグレートでなくちゃ、と思いつつ担当者に聞いてみたが、なんと「この乾燥機は売り物ではありません」とつれない対応が返ってきた。なぜ売る気のないモノをパンフレットに載せているのか、「だったら買わないよ」くらいのつもりでいた。

魅力的な台湾製の大型乾燥機

来季の乾燥場工事を考えると年末までには概要を決めなければならない。そんな折、当時隣町で小麦150haの勝部さんから太陽という台湾製300石の乾燥機の見積もりを見せられた。価格は破格で、300石のキャパを魅力的に感じた。
人の縁とは不思議なもので12月に入って、十勝・本別町の若き貴公子の名声を欲しいままにする前田茂雄さんとの電話で「ミヤイさん台湾に遊びに行きませんか?」となった。なんでもアイオワ州立大学時代の学友ジェイソン君からお誘いを受けている様子だ。
ちょっと待てよ、台湾って? 勝部さんが購入を考えていたのも確か台湾製だったことを思い出した。驚いたことに前田さんが使っている200石の乾燥機も元を辿れば台湾・太陽のライバル会社の三久(サンキュウ)という会社のものだという。
こうなると話は早い。クリスマスをめがけて台湾の乾燥機メーカー廻りの計画を練ったが、どうしても気になることがあった。いくら価格が安いといっても予備の部品を買ったところで、コメには使えるだろうが麦にはどう対応できるのか不安は残った。

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