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イベントレポート

第4回農場視察セミナー『農業経営者』編集長と訪ねる日本の農業現場

農地は借り手市場に変わる 問題は規模拡大する技術的課題 (株)農業技術通信社は11月13日、「農地は借り手市場に変わる 問題は規模拡大を実現する技術的課題」をテーマに第4回農場視察セミナーを開いた。農水省やコメ関連業などから参加した14人とともに、千葉県北西部の柏市で水田農業のイノベーションに取り組む2つの農場に出かけた。
【視察(1) 200haを想定したライスセンター】
最初に向かったのは、橋本茂さんと息子の英介さんが経営する (有)沼南ファーム。JR我孫子駅を出たバスが市街地を抜けてしばらくすると、手賀沼の周りに水田が広がってきた。その一角にある事務所で迎えてくれた橋本親子がまず案内してくれたのは、昨年、総工費1億3000万円をかけて増設したばかりのライスセンター。遠赤外線の乾燥機を増設したほか、屋外にもみを貯蔵する「ステアデポ」を1基立てた。
収穫したコメはライスセンターの地面に設けられたホッパーに落とされ、コンベアーで乾燥機に搬送されていく。繁忙期は乾燥が追いつかないことがある。そうした事態に対応するために導入したのがステアデポだ。このタンクの貯蔵容量は50t。タンクに少しずつもみを入れて回しながら、風を送り込んで水分を調整する。一度に容量一杯に詰め込むと、うまく乾燥できないそうだ。適当な段階で乾燥機に送り込み、水分率の最終調整をする。英介さんによると、旧沼南町にはJAのカントリーエレベーターがないので農家が自前で所有し、持っていない人は他の農家に委託しているという。ステアデポについては追加で3、4台置ける敷地を確保してある。これは今後の受託面積の拡大を見越しているためである。周囲の稲作農家の平均年齢はおよそ70歳。沼南ファームの耕作面積90haのうち自作地は2haにすぎない。最近になって作業の委託件数がグッと増えてきた。これからは一気に押し寄せてくると、英介さんはみている。
「おそらくはこの5年がヤマ。将来的には200haまで広がるはずです。だから今のうちにそれに対応できる作業環境を整えておかないと」
沼南ファームのような事例は特殊ではない。英介さんは全国の農家と交流する中で、農地が借り手市場に変わる地域がほかにも出てくると感じている。ライスセンターではほかに、袋詰めを自動化することも検討している。茂さんは「夏場にひたすら包む作業はきつい。その作業をやってくれている人たちも年なので、自動化したい」と話す。作業受託の拡大に備えたところで、これから目指すのは作業の効率化だ。農地の所有者の抵抗も弱くなっている。レーザーレベラーを導入して、筆数にして300枚ある田んぼを1枚当たり50a以上の100枚に合筆したいと考えている。

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