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シリーズ水田農業イノベーション

座談会・盛川周祐×高橋誠×昆吉則 子実トウモロコシの地域自給に向けて~畜産家、地域の飼料業者に新たな可能性が生まれる~


昆 月間300tの飼料のうち、トウモロコシが7割だとすると約200t。高橋さんのところだけで年間で2400t。10a当たり1tとれたとしても、240ha分ですから地域自給にはまだ先が長いですね。

飼料の品質と価格の安定が不可欠

高橋 今回の話を飼料メーカーに相談したときに聞いたんですが、飼料米などが入ってくるときは、基本的に中身の栄養価が変わらないように、都度、飼料を再設計するそうです。こちらも逐次サンプルをとる必要があると思っています。
昆 輸入トウモロコシは、もともとアメリカ産が9割を占めていたんですが、そこにブラジル産やウクライナ産が入ってきて、品質がバラバラだと聞いたのですが。
高橋 ええ、バラバラです。完成品の餌を見ると、元のトウモロコシ自体の品質のバラつきをすごく感じます。国際情勢もありますから畜産家はやむを得ずそれを受け入れているわけです。それが日本の同じ地域のものになれば均質なものになるでしょうし、お互いの信用の中である程度の品質のものが届くでしょう。
昆 輸入の場合は、産地の作況だけでなく為替の変動もあるでしょ。畜産家たちはそれでビクビクしているわけですよね。
高橋 そうですね。
昆 先月号にも載せましたけど、輸入トウモロコシは、港で飼料メーカーが買う値段は13年10月段階だと輸入価格がキロ32円程度です。飼料や関連業界の方の意見を聞いても、瞬間的に25円になることはあるかもしれないけど、30円を下回るということはないだろうと。飼料工場は太平洋岸にあるから日本海側に行けば行くほど高くなります。
盛川 配合飼料として農場に届くといくらになりますか?
高橋 距離によって違いますね。千葉県と岩手県では全然違うわけです。運賃は生産者か代理店負担ですから、1t当たり5万円から6万円台になっていました。今は落ち着いてきているものの、内容にもよりますけど、5万円台でしょうか。
盛川 餌がそんなに高騰しても利益は出るのですか? やめようというところも出てくるのでは?
高橋 今は豚の価格がいいんですよ(13年12月時点)。だから、銘柄化していない普通の畜産家は今、かなり高収益を出しているといえます。でも生産者が値付けをできるわけではないし、餌の価格も上がっていますから、実際やめる方もいらっしゃいます。
昆 餌の7割はトウモロコシですから、配合飼料メーカーはそれに代わるものを入れて価格を下げるということをしていますよね。

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