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【吉村明のみつひかり栽培日誌】
はじめに
- 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
- 第1回 2014年01月28日
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栽培のポイント(1)
みつひかりは穂が大きい「穂重型」の稲で、日本の固定種に多い「穂数型」の稲とは栽培のポイントが大きく異なります(図2)。
開発当初の資料には、「青籾残存率10~15%が刈り取り適期、刈り遅れによる品質低下に注意」の文字がありました。この頃は「みつひかりは刈り取り判断が難しい」との問い合わせが多数寄せられていました。現在は「穂の下が熟れるまで刈り取りを待って、早刈りに注意」に変わりました。我われがみつひかりの持つ優れた品種特性を把握していなかった実例の一つですが、「水稲」の常識的な先入観に捉われていたと反省しています。
以前は、「種子代が高い」「肥料代がかさむ」「倒伏する」「収量が上がらない」「コメが買い叩かれる」の五重苦だ、と叱責されたこともありました。しかし、実需側からの「みつひかりって本当に割れないよね」という一言に「何かが違う」と気づき、多くのみつひかりの稲を見て、調査・分析しました。その結果、基本的な栽培のポイントを改めて見出すことができたのです。
この連載を通じて、過去の誤った認識を一新してみつひかりの魅力を伝えたいと思います。
生産者インタビュー
「昨年は反収15.3俵とれました」
「平成25年産のみつひかりは反収15.3俵(例年は14俵)とれた。他の多収といわれる品種をつくってみたが、みつひかりには敵わない。」
大分県久住高原(海抜600m)でみつひかり栽培8年目を迎えた神田定義さんは、独自の栽培体系を確立、みつひかり作りのベテランの一人。 1947年生まれ、3年間の食糧事務所勤務を経て、実家の農業を引き継いだ。水稲18ha(うち請負6ha)のうち、みつひかりは6.7ha。「5月上旬に他の品種より先に植えて、みつひかりは最後に刈り取る。手間がかからなくていいんだ」と他の品種との組み合わせで作期を分散している。
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吉村明 ヨシムラアキラ
三井化学アグロ(株)
営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー
1962年生まれ。1988年 北海道大学大学院農学研究科修了。同年 三井東圧化学(株)(現三井化学)入社、農業資材開発に従事(北海道工業所勤務)。1996年 本社異動後、ハイブリッドライス事業開発を担当になる。2000年に事業ごと三井東圧農薬⑭(現三井化学アグロ)に異動し、現在に至る。17年間「みつひかり」をライフワークに、全国を飛び回る。
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