ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

小川幸夫の虫の世界から見る農業

天敵昆虫を生かす術を考える



ステップ3:
在来の天敵昆虫を土着させる
今の時期にアブラムシ対策で販売されているものとして、「大麦、ムギクビレアブラムシ、コレマンアブラバチ」のセットがある。これは、いわゆる「バンカープラント」(バンク=銀行)と呼ばれる方法で、イネ科を好むアブラムシを大麦にまつわりつかせてアブラムシを繁殖させると同時に、天敵のアブラバチも繁殖させるべくハウス内に設置する。大麦に意図的につけるムギクビレアブラムシは増加しても他の作物には影響せず、そのアブラムシに寄生するコレマンアブラバチはハウス内の商品作物につくアブラムシにも寄生することになる。こうすることで目的のアブラムシ退治を最終的に果たすというわけである。
また、天敵が生活しやすいよう栽培する植物を「インセクタリープラント」という。このように天敵のために餌となる害虫や植物をわざと用意して天敵を土着させてしまえば、新たに天敵昆虫を購入することも、捕まえてくる必要もなく、何もしなくても済む理想的な形になっていく。
以上のとおり、最初は天敵昆虫にコストを要するが、徐々にその生態を理解すればコストも抑えられ、他の耕種的防除や物理的防除を組み合わせることで化学農薬のコスト削減につながる。これは、適期に化学農薬を使えば回数を減らせることと同じで、天敵昆虫も投入するタイミング(害虫の量や季節、気温、放し飼い場所など)をうまく考えて利用していくことで改善に結びついていく。
次回からは個々の昆虫について具体的に書きたい。

関連記事

powered by weblio