ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

日本で麻農業をはじめよう 聞いておきたい大麻草の正しい知識

新たな麻栽培の試み


Q.今年の栽培状況は?
A.繊維採取用は4月28日に播種し、3m弱まで成長した麻を7月30日~8月6日に刈り取りました。種子採取用は、5月28日に播種し、10月20日に刈り取りました。種子は食用として販売するためではなく、翌年度に播くためのものです。麻の繊維を取るための作業小屋をまだ作っていないので、現段階では刈り取った麻の3分の1から繊維がとれました(写真1)。まだ全体でどのくらい取れるかは分かりません。

Q.実際に栽培してみた感想は?
A.麻は面白い! 聞いていたとおり、実際に畑作業をしても疲れません。農家にとっては何よりも経費がかからないのがとても良いと思います。具体的には、酪農や稲作と比較して大型の農機も除草剤などの農薬もいりません。昔からの道具や人手で十分なのです。
繊維を取った後の茎である麻幹(オガラ)を使ってカマドで焚いたご飯は最高にうまい! 麻って不思議な力があるんじゃないかな。できた繊維は、まずは那須温泉神社に奉納します。今やほとんどの神社の麻も中国産やビニール製なので、そこから変えていかないと。

Q.今後の展開は?
A.14年度は2倍の20aに栽培面積を増やしますが、まずは電動式の麻挽き機の技術をしっかりとマスターすることです。この作業の能力次第で栽培面積をどこまで広げられるかが見極められるでしょう。14年度からは高齢を理由に麻栽培をやめる農家から道具一式を手に入れました。できた精麻は、卸売ではなく、お客さまに直接販売していきたいですね。また、畑に大量に残っている麻の葉を使った完熟堆肥をつくって、田んぼに還元したい。その名も「麻の舞」、たぶんおいしいコメが育つと思いますよ(笑)。
うちは学生や社会人の農業体験生の受け入れや予約制の農家レストランもしているので周りから人が多く集まります。彼らにも麻畑を見せてじっくりと説明をしました(写真2)。新規の麻農家といっても若くないので、これから麻栽培を始めたいと考えている若い人たちを応援できればと思っています。

栃木県は全国一の麻生産県といえども4haを割り込んでいて、13年度で16名しかいなかった麻農家は2軒やめて14年度は14名になる。神事用や伝統工芸などで麻繊維の一定の需要があるにも関わらず、これまで新規の麻農家の参入や育成に対して、世間での大麻の偏見もあってなかなか前に進まなかった。図2のように、栃木県内の麻栽培がこのまま絶滅してしまうシナリオ(1)になるか、新規参入が増えるシナリオ(2)になるか、まさに起死回生の岐路にある。そんななかで、渡辺夫妻の試みは、栃木県の希望になりそうだ。

関連記事

powered by weblio