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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座肥料その2

●硝酸石灰 Ca(NO3)2

 保証成分は硝酸性窒素10%、カルシウム25%。性状は白色粒状で、水にきわめてよく溶ける速効性肥料です。吸湿性もたいへん強く、密閉しておかないとべたべたになってしまいます。石灰分の他、苦土、ホウ素、マンガンなども少量ずつ含みます。窒素と同時に石灰を施すことになるので、土壌を酸性化しません。

 単肥として使用されることはまだ少ないものですが、これは施設園芸での市販液肥のベースになっている例か多く、今後の液肥使用の増加とともに使い方も工夫され、需要の伸びる可能性が大きいものといえるでしょう。


硝安 NH4NO3

 保証成分はアンモニア態窒素16%以上、硝酸態窒素16%以上。性状は白色結晶で、吸湿性が強いので防湿剤を用いて粒状にしてあります。

 硝安は水にたいへん溶けやすく、速効性の肥料です。また副成分を含まず、化学的にも中性で、アンモニアも硝酸も両方吸収利用されるので、土を酸性化しません。

 注意点は吸湿性の強さで、濡れた葉にけ着すると害があります。また、排水性の悪い圃場では作物根を傷めますし、有機質肥料と混ぜて施すと、一層肥当たりを起こします。液肥体系の中で使うとよく効き、実用性の高いものです。


尿素 (NH2)2CO

 保証成分は窒素全量で43%以上。性状は白色で水にきわめてよく溶け、吸湿性が強いため、粒状にしてあります。窒素は尿素態ですが、肥料取締法では「尿素態何%」という表示の義務はないので、窒素全量と成分を保証することになります。これは肥料袋の保証票をみるときの注意事項になります。

 尿素は中性の無硫酸根肥料であり、施用してもすぐ土のコロイドには保持されることはありません。とくに低温下でその傾向かあります。

 しかし施用後、夏季の場合2日ほどで炭酸アンモニウムに変化します。これは土壌中のウレアーゼというバクテリアの作用によるものです。このウレアーゼの活性の弱い冬季では、炭酸アンモニウムに変化するまでに一週間ほどの期間を要します。それ以前の、尿素のままであるときに大雨に合えば、当然作土外へ流亡してしまうことになります。また土壌吸着かされないでいるために土壌溶液の濃度が上がってしまい、発芽障害を起こすことがあります。

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