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自分の畑は自分で診断する

これなら分かる「土と肥料」の実践講座肥料その2

ゆっくり溶けて長く効く合理的な施肥に適した肥料


 速効性窒素肥料の種類とそれぞれの特性について述べましたが、これらは施肥料が多すぎると一度に高濃度の窒素レベルになってしまいますし、また適正濃度を長く保つには、何回も施肥作業を行なわなくてはいけないなど、現場の問題点も多いものです。

 そこで、有機肥料のようにゆっくり肥効が現われ、長く効き続けるような人工窒素化学肥料の開発が望まれ、現在各メーカーで何種類かが作られています。

 これらの登場によって、施肥作業の省力化と合理的施肥がかなり実現できたことは確かですが、この種の新兵器の導入もただ闇雲に飛びつくのではなく、土の機能を引き出す努力の後に考えてほしいものです。


●IBチッソ (イソブチルアルデヒド加工尿素肥料)

 保証成分は窒素全量28%以上。直径2~8mの粒状にしてあります。

 肥効の発現は、水に少しずつゆっくりと溶け、加水分解により尿素となり、炭酸アンモニウムから硝酸へと変化していくという段階を踏みます。

 この分解速度は、IB肥料のタイプ別粒径の違いの他に、土壌岬土壌水分にも左右されます。また使用時期の土壌温度によっても、窒素成分の溶出が違います。

 乾いた状態では分解溶出が少なく、あてにした肥効が現われなかったというような失敗例もよく聞きます。しかし、このことは有機肥料でも同様のことが起こることです。水分調節さえすれば問題はありません。


●CDUチッソ(アセトアルデヒド加工尿素肥料)

 保証成分は窒素全量で28%以上。水にはほとんど溶けません。

 土壌に施されてから、加水分解により少し化学構造を分解され、その後は微生物分解により日数を経てアンモニアに変化します。有機肥料よりも肥効は遅く、緩効性です。また土壌水分、温度の影響を受けます。

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