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北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信

内田裕也、あんたはエライんでナイカイ?

2013年10月17日、秋葉原のイベントで、内田裕也さんが、あのドタキャン前科があるロシアのタトゥに「北方領土返還よろしく(ハート)」と迫った。メンバーのリエーナ・カーチナは「絶対返しません」と応戦した。内田裕也さんは樹木希林さんの旦那で、本木雅弘さんの奥さんのお父さんといった方が説明は早いだろう。兵庫県出身で大阪の堺市育ちだから北方領土とは縁があったのかは不明だが、よくぞ元祖共産主義国家の金髪・ブルーアイに物申してくれたと褒めたい。

北方領土は「日本固有の領土」

来る2月7日は「北方領土の日」である。他府県の方たちには馴染みは薄いが、この日だけは共産党支持者の拝金主義者も自民党支持の共産主義者も呉越同舟のごとく声高々に「返せ、北方領土!!」のシュプレヒコールを街中に響き渡らせるのだ。
思い起こせば、あれは1968年の雪まつり開催どきであったと記憶する。今はもうやめてしまった真駒内・陸上自衛隊内の雪まつり会場に家族で訪れた。ちょうど北方領土返還の署名活動があり、10歳のガキがなんの役になるのか不思議だったが、係の人にせがまれて署名をした。
時は流れ、08年9月に根室から3.7の北方領土に属する貝殻島国境まで小型機で行くことになった。180m先に国境が存在していた。なぜ距離がわかるのか? 国境まであと1マイル、0.5マイル、0.1マイルとしっかりと航空自衛隊が我われをモニターしてくれていたのだ。彼らは、誰かが使う「中間ライン」などとは言わず、国境という言葉を使った。今で言うADIZ(防空識別圏)と重なる空域である。この先には異文化が存在していると考えるとやはり武者震いに似た緊張が走った。眼下には海上保安庁の巡視船が国境付近に停泊していたし、以前は国境に近づいただけで貝殻島から機銃掃射されると言われた空域だからだ。
実現はできなかったが、こんな話もある。91年に国後島・古釜布(ふるかまっぷ)にセスナ172で行く計画を立てた。中標津VORから065度、43海里、飛行時間40分、女満別VORからだと090度、47海里、飛行時間45分。高度は最低3000フィートあれば、航法的には楽な飛行である。関係官庁との打ち合わせをしたが、厄介だったのは外務省だった。ロシアの担当は松尾課長という人で、彼は黙って私の計画を聞いていた。「ところでその飛行機の国籍(正しい表現です)とミヤイさんの国籍は?」と聞かれたので、「国籍が関係するのですか?」と返したところ、「日本国籍だったらその計画は潰します!」とドエライ剣幕で怒鳴られた。
なんでも平成元年の閣議了解で、日本人がロシアのビザを取って北方領土に行くことは相手の領土だと認めることになるからダメだという。「だったら、三沢や横田の米国軍基地にある自家用機Nナンバー(アメリカの国籍)で米国人が行く場合は問題ないのですか?」と聞いてみたら、「手続きに従っていただければ問題ありません」だって。
実は韓国が専有している竹島にも同じような注意が外務省から出ている。では尖閣には? 巷ではよく北方領土は「日本固有の領土である」という。日本領土であるという主張だったら、なぜ「固有」という単語をつけるのか? 国家の定義は国民、主権、領土の3つなので、北方領土には日本国家は存在しないから固有の領土というカテゴリーを設けたのだろうか?
同じような表現が「尖閣諸島が日本固有の領土である……」と外務省のホームページにも書かれている。竹島の項でも「我が固有の領土です」とある。北方領土、竹島、尖閣諸島の歴史的背景は同じではないが、「固有」という同じ表現を使っているのはなぜか? やはり海外から見ると日本の主張のどこかが矛盾していると指摘されても仕方ないだろう。

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