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特集

外食チェーンの調達方針


「アメリカの方式で、日本人がおいしいと思うものを作ったからすかいらーくは成功したんです。産地から直接買いつけることによって、私どもがやりたいことをしていこうと考えました」
安定した価格で量を確保しながら、おいしいと思うものを探して調達してきた横川氏の取り組みの例をいくつか紹介する。
すかいらーくでは、ステーキに合う付け合わせの彩りと栄養バランスを考え、創業当時から、赤いニンジン、緑のホウレンソウ、黄色に近いジャガイモを使っていた。その調達はどのようにしていたのか。
ニンジンの調達にあたっては、価格の安定と加工段階での歩留まりを上げることが命題だった。10kg200~2000円ぐらいで相場が変動したため、年間を通じて10kg250円の一定価格で農協と取引を始めた。しかし、どうしても相場が高いときは青果市場に流れてしまう。そこで歩留まりを良くしようと考えた。横川氏は、歩留まりを良くする調達も外食の役割だと言う。ニンジンは、上は6つに、真ん中は4つに、下は2つに切った。さらに、上から下まで同じ幅なら歩留まりが良くなると考え、現在主流となっている西洋ニンジンのような先の丸い品種を、種苗会社と組み、大根とかけ合わせて作ろうとしたこともある。
ホウレンソウは、年に2回収穫し冷凍保存して使ってきた。ボイル冷凍したものを自然解凍してバターで炒めると、結果的に生のものと味が変わらないという。年4回収穫できる種子島に依頼しようとしたこともあったが冬しかできず、中国の福建省で作ることにした。初めはうまくいったように見えたが、安全性の問題と異物混入がひどいため、中国でものを作るのをやめた経緯がある。
ジャガイモは、アイダホ産の冷凍のジャガイモを使っていた。当初は、国産ジャガイモの皮をむいてふかして油で揚げていたが、それでは1日1000人の来店者に対応しきれなかった。そこで、アイダホの冷凍のジャガイモに変えたという。当時は冷凍を使っていると批判もされたが、マクドナルドの参入もあり、世の中の抵抗はなくなっていった。また、油で揚げたとき、それまで使っていた日本のものよりもホクホク感があったこともアイダホ産を使った理由の一つだという。
また、サラダで大量に必要なレタスは、自社工場でカットしようとしたが、切り口が変色するため軌道に乗らなかった。カット野菜を委託する方法もあったが、翌日や翌々日には色が変わってしまうため、各店内でカットした。

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