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【土壌別経営診断うちの土ではどう作る?】
大量の有機物を投入して茶を栽培し、加工・営農指導も手がける/畑勝也さんの場合
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第5回 1996年04月01日
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以前はアンモニア態チッソを大量に施していれば安心だった
茶園のような強酸性の土壌では硝酸化成菌は働かなかったからだ
ところが近年、酸性土壌でも硝酸化成をする耐性菌が出現しこれまでのような施肥の考え方が通用しなくなってきた
問題は単にコストの上昇に止まらず、公害という問題にまでおよぶ
いかにアンモニア態で効かせるかがポイント
関 畑さんは、施肥については、いまどんな考え方でやっていますか。
畑 とにかくチッソをいかに有効な形で効かせるか、つまり茶の場合はいかにアンモニア態で多く吸わせるかですね。そしていかに肥料コストを下げるか、つまり効率化ということですが、この2点が肝心です。
関 肥料としては、どんなものを使っていますか。
畑 土壌化学分析の結果を見て、いまはリン酸肥料を全然人れていないです。それからカリを減らしてます。チッソ肥料はホルムアルデヒドを使っています。
関 たしか、かなり以前からボカシを使っていましたね。
畑 15年くらい経ちますか。いまはボカシってあっちこっちで流行していますが、当時はまだボカシなんて言葉もなかった。しかし、何年かやってみて、どうもおかしいぞ、これじゃだめだなってところも見えてきました。
関 それは、どんなところですか。
畑 アンモニア態チッソが硝酸態に変化しちゃったものまでボカシちゃうと、これは茶にとっては非常に効率が悪い。だいたい見ていて、茶の木の様子もおかしくなってくるんですね。
関 やっぱり見てわかりますか。
畑 わかります。だから、ボカシもそうなってしまうようではやる意味がないんです。だけど、じゃあいま私はボカシやめちゃったかというと、そうでもない。いろいろ工夫しながら、私なりのノウハウでやっているわけです。私は思うんですが、いまボカシ肥と言って流行って、袋に入って売っているものまでありますが、たぶん、作物ごとにどういうボカシ方をするべきかといった大事なところは考えられていないんじゃないかと思いますね。ただボカシという言葉だけが独り歩きしているように思う。
関 たしかにそういう検証が一般にされていないようですね。ボカシ肥が発酵して変化していく過程で、茶ならこの時期までに使わなければだめだというタイミングがあるはずです。畑に入ってからの変化も季節によって全然違う。春なら畑に入れた途端に発酵が一層進むでしょうし、冬であればゆっくりで寒肥的な使い方もあるはずです。しかしそこまで計算してやっている人は少ないでしょうね。硝酸化成菌の問題はどうですか。
関 畑さんは、施肥については、いまどんな考え方でやっていますか。
畑 とにかくチッソをいかに有効な形で効かせるか、つまり茶の場合はいかにアンモニア態で多く吸わせるかですね。そしていかに肥料コストを下げるか、つまり効率化ということですが、この2点が肝心です。
関 肥料としては、どんなものを使っていますか。
畑 土壌化学分析の結果を見て、いまはリン酸肥料を全然人れていないです。それからカリを減らしてます。チッソ肥料はホルムアルデヒドを使っています。
関 たしか、かなり以前からボカシを使っていましたね。
畑 15年くらい経ちますか。いまはボカシってあっちこっちで流行していますが、当時はまだボカシなんて言葉もなかった。しかし、何年かやってみて、どうもおかしいぞ、これじゃだめだなってところも見えてきました。
関 それは、どんなところですか。
畑 アンモニア態チッソが硝酸態に変化しちゃったものまでボカシちゃうと、これは茶にとっては非常に効率が悪い。だいたい見ていて、茶の木の様子もおかしくなってくるんですね。
関 やっぱり見てわかりますか。
畑 わかります。だから、ボカシもそうなってしまうようではやる意味がないんです。だけど、じゃあいま私はボカシやめちゃったかというと、そうでもない。いろいろ工夫しながら、私なりのノウハウでやっているわけです。私は思うんですが、いまボカシ肥と言って流行って、袋に入って売っているものまでありますが、たぶん、作物ごとにどういうボカシ方をするべきかといった大事なところは考えられていないんじゃないかと思いますね。ただボカシという言葉だけが独り歩きしているように思う。
関 たしかにそういう検証が一般にされていないようですね。ボカシ肥が発酵して変化していく過程で、茶ならこの時期までに使わなければだめだというタイミングがあるはずです。畑に入ってからの変化も季節によって全然違う。春なら畑に入れた途端に発酵が一層進むでしょうし、冬であればゆっくりで寒肥的な使い方もあるはずです。しかしそこまで計算してやっている人は少ないでしょうね。硝酸化成菌の問題はどうですか。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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