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【北海道長沼発ヒール・ミヤイの憎まれ口通信】
24支線・8分区やめますから……
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 第70回 2014年02月20日
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まず、4月下旬から5月の連休中には地域の農家が集まり、まだ水が入っていない用水路に入り泥やゴミさらいをして、5月15日ころの通水時期を待つ。6月10日前後の日曜日は1回目の用水路両サイドの草刈があり、2回目は8月上旬になる。以前はカマや刈払機でやっていたが、この20年は除草剤散布がメインになった。このように地目が水田であれば、コメ以外に転作をするか、しないのかは関係なく、共同か個人で公共施設を管理・指導する団体が土地改良区である。正しくは水土里(みどり)ネットというが、ここでは一般的な呼び方である土地改良区の名称を使う。
今回はこの組織の糾弾話ではない。とっても面白く、おかしく、進化を認めない土地改良区の下部組織のお話である。長沼には20を超える支線と呼ばれる用水路が張り巡らされ、その支流には分区と呼ばれる小さめの用水路があり、各農家には分派と呼ばれるもっと小さめの用水路がある。エグくてケチィ400円の話はこれから。
私の農場にも用水路があり、親の代からその維持管理をすることに何の疑いもなく、記帳記録がある1968年より用水路の生産者組織である旧13支線にはヘクタール当たり200円、現在の24支線には同400円を徴収されていた。私の農場の一部が所属している24支線の8分区には私を含め7軒が営農していて、ヘクタール当たり400円、分区面積が45haなので合計1万8000円が徴収されて24支線の会計の元に届けられる。
ここまでだと、よくある町内会の集金作業と思われるだろう。もう少し詳しく説明する。
この24支線8分区の7名が周り番で年末に現金を集めるのだが、携帯電話のご時世であっても誰かが自宅にいなければ現金は徴収できない。そこで、昨年12月20日18時に西長沼会館に各分区の会計が集まった折に、私は「これからは振込にしてもらったほうが良いのではないか?」と発言した。例えば、私が住む地区の区費(町内会費)は依頼書に印鑑を押すだけで農協の組勘で徴収されている、などと説明しても動じる雰囲気はまったく感じられなかった。
支線長と会計は、あ―だの、こーだのと言って集金方法の変更を認めようとはしない。挙句の果てに会計は私に「集めたお金をどこに振り込むのですか?」と不自然な質問をした。私は「今、会計がお持ちの通帳です」と答えたが、会計は「あなたが勝手に振り込んできても、手当として差し上げるお金は、直接、会計に来ていただけなければ領収書は出ませんね」と、どうしても現金主義を貫こうとした。ついに喧々囂々(けんけん・ごーごー)を越して怒涛のごとく響き渡る質疑応答になってしまった。そこで少し大人の対応を見せようと私は「ところで集まったお金の使い道はどうなっているのですか?」と聞いてみたが、ペットボトルのお茶も出ない良識ある質素な会合なのだから、マトモな答えが返ってくると思っていたら「えーと、それは、んー、新年会で伝えます」と明確な回答をいただけなかった。
今回はこの組織の糾弾話ではない。とっても面白く、おかしく、進化を認めない土地改良区の下部組織のお話である。長沼には20を超える支線と呼ばれる用水路が張り巡らされ、その支流には分区と呼ばれる小さめの用水路があり、各農家には分派と呼ばれるもっと小さめの用水路がある。エグくてケチィ400円の話はこれから。
私の農場にも用水路があり、親の代からその維持管理をすることに何の疑いもなく、記帳記録がある1968年より用水路の生産者組織である旧13支線にはヘクタール当たり200円、現在の24支線には同400円を徴収されていた。私の農場の一部が所属している24支線の8分区には私を含め7軒が営農していて、ヘクタール当たり400円、分区面積が45haなので合計1万8000円が徴収されて24支線の会計の元に届けられる。
ここまでだと、よくある町内会の集金作業と思われるだろう。もう少し詳しく説明する。
この24支線8分区の7名が周り番で年末に現金を集めるのだが、携帯電話のご時世であっても誰かが自宅にいなければ現金は徴収できない。そこで、昨年12月20日18時に西長沼会館に各分区の会計が集まった折に、私は「これからは振込にしてもらったほうが良いのではないか?」と発言した。例えば、私が住む地区の区費(町内会費)は依頼書に印鑑を押すだけで農協の組勘で徴収されている、などと説明しても動じる雰囲気はまったく感じられなかった。
支線長と会計は、あ―だの、こーだのと言って集金方法の変更を認めようとはしない。挙句の果てに会計は私に「集めたお金をどこに振り込むのですか?」と不自然な質問をした。私は「今、会計がお持ちの通帳です」と答えたが、会計は「あなたが勝手に振り込んできても、手当として差し上げるお金は、直接、会計に来ていただけなければ領収書は出ませんね」と、どうしても現金主義を貫こうとした。ついに喧々囂々(けんけん・ごーごー)を越して怒涛のごとく響き渡る質疑応答になってしまった。そこで少し大人の対応を見せようと私は「ところで集まったお金の使い道はどうなっているのですか?」と聞いてみたが、ペットボトルのお茶も出ない良識ある質素な会合なのだから、マトモな答えが返ってくると思っていたら「えーと、それは、んー、新年会で伝えます」と明確な回答をいただけなかった。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
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