ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

農場視察セミナー『農業経営者』編集長と訪ねる日本の農業現場

JAみっかびで農協の可能性を考える


カンキツ類を持ってきた農家はまず、受付場所にある小型機にカードを差し入れる。これには個人情報が詰まっている。さらに、画面のタッチパネルで品種や出荷量などを入力する。小型機のそばにあるコンテナに、ピンク色のやや扁平なボールがいくつも詰まっているのが気になった。このボールのバーコードに出荷した農家の情報がインプットされる。この後、光センサーで糖度や酸度などを検査するわけだが、これら一連の情報が個人情報とともにバーコードに記録されるのだ。
この後も光センサーに至るまで機械化されている。パレットに積載したコンテナは無人搬送車で長い工程を経て送り込まれ、その過程で腐ったり痛んだりした果実の抜き取りや光センサーによる品質検査がある。なかでも参加者の興味を引いたのは、光センサーを通ったミカンが1つずつ細長いプレートで搬送される途中、等級や大きさなど規格別にえり分けられるところだ。ミカンが載ったプレートの箇所だけが下に折れ、そこから落ちたミカンは人が待つ検品エリアに転がっていく。最後は目視で確認するためだ。この後、箱詰めされる。
屋外に出てみると、選果場の駐車場には群馬や長野などのナンバープレートを付けた大型トラックが何台も待ち構えていた。選果場内の搬出口には大きな電光掲示板がある。そこに自分の車のナンバーが表示されたら、大型トラックが荷を積みに入る仕組みになっている。
とにかくオートマティックなのだが、これはJAみっかび管内の園地についても当てはまる。JAみっかびの繁栄はガット・ウルグアイラウンド対策費で園地を造成して、大部分の作業を機械化したことにある。
実際に園地を見に行くと、和歌山県や愛媛県の産地とは様子が明らかに違う。まず、ミカン畑は緩やかな傾斜に広がっている。さらに園内道を張り巡らせ、作業機がどこにでも入っていける。だから大規模にも対応できる。後藤専務の家でも8haという経営規模をこなしている。それも自身がJAの仕事で忙しいいま、労働力は息子を中心に専務の妻とパート1人だけ。
「規模が大きい分、単価が安くなっても食える」と、経営体力は他産地の生産者よりもあるわけだ。

JAの閉鎖性を打破し、
企業と組む

もともとミカン農家だった後藤は嘱望されてJA経営に携わるようになった。実際に入ってみて驚いたのはその閉鎖性である。
「専務になって東京に行ってびっくりしたのは、中央会の職員が鞄を持ってくれること。農協職員はグループ内でしか付き合いがないから、そんなことがまかり通ってしまう。それが心地良いんだろうけど、もっと他業者とコミュニケーションを取るようにしないと駄目だよね」

関連記事

powered by weblio