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まさにそのとおりだ。そして、それは全国各地にいる篤農家がその人なりの言葉で同じことを言う。
まさに、土とその土地の風土を追求した末に出てくる「土の匠」の言葉である。「匠」とは「職人」である。しかし、それは「経営者」としての言葉に通じる。農業も経営も、基本は「土」、あるいは「お客様」に戻し続けることで成り立ち、しかもそのためには共に働く者への責任が伴う。そして、突き詰めると農業も経営も、ままにならない自然やマーケットに対しての危機管理だと思う。「土を作れば作物は勝手に育つ」という鈴木氏の言葉もそれに通じる。
スガノ農機は、各地の農業経営者の営みを映像作品として紹介する「ヒューマンドキュメンタリー」を毎年制作している。その第11弾の表題は「土の匠」。「土の匠」として紹介されているのは、岩手県の庄司有弘氏(長芋の匠)、北海道の吉本博之氏(畑作の匠)、岡山県の東内秀憲氏(黒大豆の匠)の三人。
シリーズの中でも最高傑作と言ってよい作品である。一人でも多くの方にご覧いただきたい。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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