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小川幸夫の虫の世界から見る農業

ミツバチは大切に、人間との共存共栄を


ミツバチは消耗品にせず、
買うだけではなく、飼う

ビニールハウス内に入れられて酷使されるミツバチたちは、必ず数を減らして弱っていく。弱った数の少ない群は、自分たちの社会を維持できなくなり、最後は消滅する。原因の一つにはハウスへの移動がある。晴天の日、ミツバチたちは巣を移動されたことに気づかずに一斉に飛び出す。だが、遠くへ飛んでいきたいにもかかわらず、四方を覆われたハウスの端に群がって帰れなくなる。そのことによって最初からかなりの数のミツバチが死んでしまう。ミツバチたちにはハウスという異常な環境をゆっくり覚えてもらわなければならない(後述)。
一方、農家が最低限、できることは、ハウス内の花の数を見て、餌となる砂糖水や代用花粉などを適宜与えることである。また、天敵のダニやスムシが巣箱内にいないか、病気になっていないかを確認するため、できるだけ巣箱の中を開けて観察する必要がある。
この際、刺されることを怖がってはいけない。最初は面布や手袋をし、刺されても大丈夫な格好をする。慣れてくれば刺されることも少なくなり、ミツバチの習性を知れば刺されなくなる。アレルギー体質の人は別だが、たとえ刺されてもあまり気にならなくなってくる。筆者の場合、刺されると逆に体の調子が良くなるほどだ。刺される場所が悪く、顔がはれては出歩くのに困るため、一応ポイズンリムーバー(逆注射器)は携帯している。
しかしながら、ミツバチは購入するととても高価である。1箱に入っている枚数にもよるが、2~4万円はする。各ハウスに設置するとなるとかなりの出費になり、さらに途中で全滅すると追加の費用がかさむ。それだけに多少管理が面倒でも、きちんと対応して消耗品として使い捨てるのではなく、大事に飼ってあげることを勧める。とくにハウス内に入れてしまうと、異常な閉鎖空間の中で巣に戻れなくなったり、ダニが付いたり、病気になったりで必ず弱っていく。巣箱はできるだけハウスの外側に設置するとともに、廊下をつくってハウス内に引き込み、ハウスと外を自由に行き交えるよう工夫することを提案したい。すると、ミツバチたちは自分たちで出入りできるため、その群は弱まるどころか、強い群を維持していく。ハウスの作物も大事だが、ミツバチを「一緒に作業する仲間」だと思って共存したいものである。

野生化できない西洋ミツバチ

日本にいるミツバチは、主に西洋ミツバチと日本ミツバチの2種類である。農業で使われているミツバチは前者で、これは養蜂家が採蜜のために飼っている。

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