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【岡本信一の科学する農業】
丁寧な作業の積み重ね以外に、近道はない
- (有)アグゼス 代表取締役社長 岡本信一
- 第29回 2014年03月19日
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この連載では作物の「歩留り」についてたびたび取り上げてきた。株間のバラツキを抑えることの重要性を述べたことがあるし、作物が揃っているかどうかが収穫物の品質に直結することも紹介し、収益にも影響すると書いてきた。栽培面積の大小に関わらず、作物の出来が揃っていなければ、売上がいくらあっても、収益には結びつかない。今回はその歩留まり向上のための基礎である作物の出来のバラツキについて考えてみたい。
バラバラの栽培条件では
作物の出来は、株間が違えば株ごとにバラツキを生じるが、圃場条件によるバラツキというのも相当大きい。わかりやすいのは水たまりの影響である。大雨が降った後で水たまりができる場所は同じ圃場内でも作物の出来が悪い。水たまりができる圃場を放っておくと、圃場内での農産物のバラツキを増長し、全体の揃いを悪くする。
施設栽培でも同じく、どのような施設であっても管理次第では場所によって作物の出来にバラツキができる。日照条件の異なる東側と西側、あるいは南側と北側、かん水条件や水分の乾燥しやすさの異なる外側と内側では、均一な作業をしていても必ず作物の出来に差が出てくる。これは植物の生理的にはある程度しかたがないことである。
さて、これらの何が問題なのかお分かりだろうか。ここまで書いたようなバラツキが生じることはある程度仕方がないとお考えだろう。しかし、そうではない。
バラバラの生育からできた農産物は、出来が揃わない。大きさだけでなく品質も安定しないし、バラツキ具合によっては出荷できる割合が減り、歩留まりが落ちるだろう。栽培条件にバラツキがあると管理が難しくなるのだ。そうなると経営に与えるダメージは致命的で、経営者であれば、作物の種類、経営規模に関わらず、歩留まりが落ちることだけは避けるべきである。
作物の発芽が揃うかどうかで
株ごと、場所によって作物の出来が違うとしよう。何が起こるだろうか。施肥をする場合、株ごとに出来が違えば必要とする養分量が違ってくる。株ごとに本来必要な量の施肥を行なうのが理想だがそんなことは不可能なので、同じ量の施肥をする。その効果はちょうど良い株にはちょうど良いし、過不足がある株にとっては過不足で、バラツキをさらに助長してしまうかもしれない。圃場内で出来が違う場合でも同じで、同一の圃場管理作業を行なっても作物のバラツキがあると、その後の作業が均一でも、均一な作物をつくることは難しくなる。苗管理でも発芽が揃っていないと、その後の生育もバラバラだったり、箱の中心部と外側の出来が大きく違っていたりすると、定植後の成長にも大きな影響を与えてしまう。
バラバラの栽培条件では
管理が難しくなる
作物の出来は、株間が違えば株ごとにバラツキを生じるが、圃場条件によるバラツキというのも相当大きい。わかりやすいのは水たまりの影響である。大雨が降った後で水たまりができる場所は同じ圃場内でも作物の出来が悪い。水たまりができる圃場を放っておくと、圃場内での農産物のバラツキを増長し、全体の揃いを悪くする。
施設栽培でも同じく、どのような施設であっても管理次第では場所によって作物の出来にバラツキができる。日照条件の異なる東側と西側、あるいは南側と北側、かん水条件や水分の乾燥しやすさの異なる外側と内側では、均一な作業をしていても必ず作物の出来に差が出てくる。これは植物の生理的にはある程度しかたがないことである。
さて、これらの何が問題なのかお分かりだろうか。ここまで書いたようなバラツキが生じることはある程度仕方がないとお考えだろう。しかし、そうではない。
バラバラの生育からできた農産物は、出来が揃わない。大きさだけでなく品質も安定しないし、バラツキ具合によっては出荷できる割合が減り、歩留まりが落ちるだろう。栽培条件にバラツキがあると管理が難しくなるのだ。そうなると経営に与えるダメージは致命的で、経営者であれば、作物の種類、経営規模に関わらず、歩留まりが落ちることだけは避けるべきである。
作物の発芽が揃うかどうかで
出来が決まる理由
株ごと、場所によって作物の出来が違うとしよう。何が起こるだろうか。施肥をする場合、株ごとに出来が違えば必要とする養分量が違ってくる。株ごとに本来必要な量の施肥を行なうのが理想だがそんなことは不可能なので、同じ量の施肥をする。その効果はちょうど良い株にはちょうど良いし、過不足がある株にとっては過不足で、バラツキをさらに助長してしまうかもしれない。圃場内で出来が違う場合でも同じで、同一の圃場管理作業を行なっても作物のバラツキがあると、その後の作業が均一でも、均一な作物をつくることは難しくなる。苗管理でも発芽が揃っていないと、その後の生育もバラバラだったり、箱の中心部と外側の出来が大きく違っていたりすると、定植後の成長にも大きな影響を与えてしまう。
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岡本信一 オカモトシンイチ
(有)アグゼス
代表取締役社長
1961年生まれ。日本大学文理学部心理学科卒業後、埼玉県、 北海道の農家にて農業研修。派米農業研修生として2年間アメ リカにて農業研修。種苗メーカー勤務後、1995年 農業コンサ ルタントとして独立。 1998年(有)アグセス設立代表取締役。農業 法人、農業関連メーカー、農産物流通企業、商社などの農業生 産のコンサルタントを国内外で行っている。講習会、研修会、現地 生産指導などは多数。無駄を省いたコスト削減を行ないつつ、効率の良い農業生産を目指している。 Blog:「あなたも農業コンサルタントになれる」 http://ameblo.jp/nougyoukonnsaru/
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