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彼女は韓国のパスポートを持っていました。なぜ強制送還になったのでしょうか。麻薬の密輸? テロリスト? まさか大和撫子のしなやかなテクである日本ブランドを利用して金髪・アイの男どもを喜ばせようとした産地偽装行為? その後の税関検査では手荷物を徹底的に調べられ靴まで脱がされましたが、無事ホストファミリーが待っている、さらに北の北緯47度ファーゴ行きの飛行機に乗ることができました。
ギンギンの若い日本人男子が一人で中西部に来る理由は早々ないので、審査や検査が厳しくなることはある程度分かっていましたし、あの人からは作業着、作業靴、手袋など労働を思わせる物は持参するなと事前に指示がありました。お土産の申告も100ドルを超えて申告すると10%の税金がかかるので注意することも忘れませんでした。
豊かな国の農業の本髄
実は米国の関係法令順守のため、農作業を経験することで小遣いも含めて一切の金銭の授受はありませんでした。あくまでも自己責任で米国中西部農業の本髄を感じてやろうと言う意気込みで行ってきたのです。
9月15日に到着して1週間ほどは雑用的な仕事ばかりでしたが、後から考えてみるとそれ自体がすごい経験だったのです。デカイ・コンバインで収穫が始まると思っていたのですが、昨年よりも積算温度が低いようで、収穫が始まる9月下旬までは機械の整備や暗渠作業をしました。暗渠というのは水はけが悪い畑に直径20cmくらいのプラスチック製パイプを400馬力のトラクターを時には2台使って強制的に土の下1mくらいの所に埋設します。北海道では被覆材として麦わらや火山れき、砂利などをパイプの上に敷設しますが、この中西部ではパイプ表面に布のような保護材が巻いてあり、土がパイプの中に入らないようにしています。もしかしたら、この技術は北海道にも普及するのか興味があるところです。
ポールはホストファミリーのボスで、お茶目な25歳の息子マイクがいます。身長が私よりも低い170cmで、ノースダコタ州立大学の女子大生と付き合っていて、日本ではどんなアプローチをするのかなど、まさかのボーイズ・トークの相談役も務めることになりました。経営規模は1100haで、この辺では中の中くらいの面積ですが、周りでは営農を辞める農家がいるので5年後には1500haになるそうで、それに合わせた経営をやっていく、具体的にはトラクター、コンバイン、作業機械、乾燥機、倉庫に2ミリオンドル以上の投資をすることに興奮すると話していました。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
北海道長沼発ヒール宮井の憎まれ口通信
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