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吉村明のみつひかり栽培日誌

外食向けにも需要が伸び、販売にも自信が持てる

  • 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
  • 第4回 2014年04月21日

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「黙っていても穂が大きい稲」ですが、地力の影響を一番受ける幼穂形成期に十分な養分がなければ籾数は増えません。2~3kg/10aを目安に出穂25日前頃に施してください。出穂後の養分は登熟を遅らせる原因となります。一発肥料を使えば作業は楽になりますが、140日タイプでは出穂後も養分が溶出し、登熟不良の原因となります。移植時期にもよりますが、110~120日タイプの使用をお奨めします。
栽植密度:生育期間が十分に確保できる地域を除き、疎植にしても一株当たりの穂数を25本以上確保するのは至難の業。目標穂数の300本/平方mを確保するには、坪60株植えが基本、と考えています。早植えで坪50株、田植えが遅くなる地域では坪70株など、地域・条件に合わせると安定した収量が確保できます。一穂粒数は、幼穂形成期以降の養分で決まり、栽植密度、株当たりの穂数との相関はほとんどありません。
植え付け本数:穂数型の稲と違い、遅い分げつは穂につながりません。1本植えでは10本程度の穂にしかならないため、1株当たり3~5本を植え付けてください。
水管理:移植後は、除草剤の効きとの関係がありますが、できる限り浅水管理とし、分げつを促進するように心がけてください。
土づくり:根圏を広げる深耕、堆肥・緑肥栽培などの有機物の多投、野菜跡・豆跡などの肥料・窒素成分の有効活用が多収穫の大事なポイントです。基本的に「多収穫のためには多くのエサがいる」のは確かです。与え過ぎはいけませんが、不足では思ったような収量を確保できません。

生産者インタビュー

「みつひかりは関東を中心に消費者の受けがいい。くせがないので使いやすいと外食向けにも需要が伸びてきている」

新宅龍夫さん(父)・省吾さん(子)

今年でみつひかり栽培5年目を迎える石川県N市の農事組合法人サンゴウ会。条件の悪い中山間地を多く抱えていながら、新宅さん親子が中心となり75haを耕作する。今年は水稲65haのうち、みつひかりが25haを占めるまで拡大した。「みつひかりは『多収』で『作業分散』でき、大規模経営に適する品種だ。中山間地は水の心配があったが、胴割れせず、刈り遅れの心配もないので、安心して栽培できる」と話すのは息子の省吾さん。サンゴウ会では、インターネット販売で独自の販路開拓も行なっている。ホームページを見た東京のカレー店からの問い合わせをきっかけに取引開始、今やそのお店に欠かせないコメとなっている。「米価が下がる方向で、これからの経営を考えると、みつひかりは実需とのマッチングもあり、先は明るい」「北陸では難しいと思っていたが、大麦跡でも栽培できる」とみつひかりに大きな手ごたえを感じている。

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