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シリーズ水田農業イノベーション

座談会 現場の経営者が思い描くこれからの水田農業


小泉 機械がそろっていたら乾田直播に挑戦できるでしょ?
黒内 うちも播種機はチューメの実演機を下ろしているから、それを使いまわしたらいけると思うんです。直装で作業幅3mだけど、トラクターは100馬力も150馬力もあるので。レムケンのヘリオドールもウェイトなしで持ち上がりますよ。
小泉 いいですね。ショートディスクとか見ちゃうと、外車トラクターかな……。時代が来てますかね。
川中子 うちも今年は乾田直播きやろうとしていますよ。
黒内 ノードストンの播種機で小麦、ビール麦、陸稲、水稲の全部をやろうとしているのも凄いな。
小泉 うちは条件が悪いので、今までは湛水直播を選択してきたんだけど、機械がそろってきたので、乾田に移行したいなと思っています。代かきする前にレベラーで均平したり、代かきするにしてもさっとで済むし、早期に乾田直播で播けるならそれでいこうかと。どうしようもならないところは、もう湛水で播いちゃうっていう感じでね。

水田で飼料作物をつくる意味

――作物の組み合わせや機械体系の工夫によっても技術革新は進んでいますが、交付金は飼料にシフトしてきています。これからの経営を考えた時、酪農もされている黒内さんはどんな挑戦を考えていますか?
黒内 今考えているのは、100%自給飼料できないかということですね。購入飼料がないと日本の酪農がもたないという固定概念を外すには、配合飼料分をイアコーンサイレージなど普及されている技術もあるだろうし、WCSもコメじゃなくてもいいだろうし。基本的に配合飼料は大豆、麦、トウモロコシが原料なんですから、つくれると思うんですよ。特にタンパク質がないので、大豆WCSもできないかと。すべて購入飼料でやろうとするから経費を引かれると乳代が出ないんですよ。
――そういう考えを持っている酪農家をはじめとする畜産農家と組めば可能性はさらに広がるでしょうね。
黒内 飼料米もしかり、稲WCSにも言えることなんですけど、耕種農家がただつくって8万円もらうというのは、農家としてのモラルに欠けていると思うんですよ。春先まで圃場にWCSのロールを投げておいて、そこから運び出したら穴だらけですからね。これを売っていると聞いた瞬間に、買っている方も馬鹿だなと思ったけれど、売ってる方は最低だなと思うんですよ。
――黒内さんのつくる稲WCSは少し違うと聞きましたが。
黒内 デントコーンサイレージをつくっているので、同じ立毛の稲も同じ体系で刈り取ってロールにしています。チャンピオン(ケンパー)のメイズハーベスターでトラクターを後進させながら収穫して、フロントのコンテナに積みます。それをワゴンに移して持ち帰ってタカキタの細断型ロールベーラーに入れて高気密圧縮してラップを巻いて貯蔵するという作業体系ですね。

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