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今年の市場相場を読む

果実的野菜が不況で受けた影響 イチゴ類/スイカ類/メロン類/アールスメロン


メロン類
20年で4割減って単価も2割安に。地域特産、地産地消型として有望

【概況】
東京市場のメロン類の入荷をこの20年の経過で見ると、入荷は58%もの激減で、平均単価も2割近く安くなっている。早出しの時期の半減だけではなく、深刻なのはピークの5~7月でさえかつての3分の1前後で、さらに単価も安いことだ。不況で支出を控える傾向がモロに直撃した。アールス、アンデスに加え、貴味メロンなどすべての品種が入荷減のなか、加工業務用に特化している輸入のハネジューだけが増えている。

【背景】
かつて早出し競争をしていた熊本県と茨城県は、ある時期に出荷期間を役割分担する産地間協調をしたこともあった。早出しで食味が無視され、消費者離れを起こしたからである。しかし、長い不況で購買は落ち、それに対応して面積、出荷量を減らすが、相場は上向かない。産地が限定されているために旬の時期も短く、熟度判定が難しく当たり外れがあって、単価も高いとなるとさらに支持されなくなった。悪循環に陥って、さらに生産・出荷は落ちる。

【今後の対応】
かつては品種戦争ともいわれたメロンだが、新しい品種が現れては消えていった。例外的に残ったのは、数量を減らしながらも、品質が絶対評価されているアールスメロンと、夕張メロンが代表する地域特産的なメロンである。メロンのこれからの行方を考えるうえでヒントになるのが、イチゴにおける県別品種などオリジナル戦略だろう。基本姿勢は、全国制覇を狙うのではなく、家庭用、贈答用、業務用を含めた地域特産品・地産地消商材化だ。

アールスメロン
不況の影響モロに受けて6割も減、ネット系としての支持は依然強い

【概況】
東京市場のアールスメロンにおける過去20年の入荷減は悲惨だ。数量で60%も減少するとともに、単価も25%安になった。入荷ピークもかつては中元期と歳暮期に大きな山を形成したが、今や夏場に小さな山がある程度に過ぎない。不況の影響がこれほど明確に現れた品目はない。とりわけ歳暮期の凋落は目を覆うほどだ。かつて4割を超えていた中心産地・静岡は、数量で65%もの入荷減ながら単価は15%安程度にとどまる。

【背景】
凋落したとはいえ、王者・静岡は不動である。続く産地としてはやはりメロン県である熊本、茨城がそれぞれ2割前後のシェアがあるが、かつて上位産地だった高知は見る影もない。アールスは不況の影響で贈答需要が大幅に落ちてはいるが、品種そのものが支持されなくなったわけではない。加工・業務用での需要は底堅いのだが、やはり単価の問題があって、安いアールスには需要がある。数量は少ないものの、韓国産の入荷さえ見られるのだ。

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