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特集

私家版・農業界だけで通用する用語辞典


ところで町工場や飲食店など他の商売でも、担当省庁や自治体が民間の経営にこれほどに口を出してくる事例はあるのだろうか。

03
「オレたちが作った馬鈴薯と甘藷がスーパーで売ってない?」
消費者にわかってたまるかの農業技術用語編

【土づくり】つちづくり
農水省によれば「土壌の環境を改善し、作物が必要とする養分や水分をバランス良く十分に供給できるような能力すなわち地力を高め、土壌の作物生産能力を維持していくこと」(http://www.maff.go.jp/j/seisa n/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/pdf/tuti11.pdf)。
化学肥料の使用が進んだ戦後、過度の化学肥料への依存により、土壌への有機物の投入が減り、土壌有機物が減少することにより土壌環境が悪化した。そのため、化学肥料への依存を減らし、土壌を保全するために「土づくり」が奨励された。長年の啓蒙の結果「土づくり」の意義は深く理解され有機物投入をはじめとする「土づくり」の必要性は、理解されている。
しかし、「土づくり」の必要性が誤って理解され、文字通り「土」を作ろうする農家まで現れている。
有機物投入が万能であるかのように誤解し、砂地に有機物を大量投入し砂地以外の土壌に変更しようしたり、有機物の投入が必要だとして未熟な厩肥を大量投入して、発芽不良や病気、害虫を招くなど実害を及ぼすまでになっている。
「土づくり」の基本は、土壌の損耗を防ぎ保全・維持しながら農業を行なうことを前提としており、農業者が土壌を作り出す必要はない。
《土づくりにこだわっています》
作物の品質の良さを消費者に訴える際によく使われる呪文。土づくりにこだわりのない農家は少ないはずなので、宣伝文句としては無効である。

【慣行散布】かんこうさんぷ
畑作の場合、「慣行散布」とは、農薬を散布する際の標準的な散布水量である100リットル/10aでの散布を指す。
日本では各薬剤(殺虫剤や殺菌剤)の希釈倍率が定められ、1000~2500倍のように幅が広い。また、散布水量も100~300リットル/10aだったりする。このケースの投下薬量を計算してみると、最少が2500倍の100リットル/10aで40g、最多が1000倍の300リットル/10aで300gになる。これで登録されているわけだが、この40gと300gの差は何なのだろうか。現場で混乱する原因にもなる。

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