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【吉村明のみつひかり栽培日誌】
やや遅めの強い中干しで、倒伏に強い稲に
- 三井化学アグロ(株) 営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー 吉村明
- 第5回 2014年05月19日
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ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)防除ポイント
●ジャンボタニシとは……
ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は移植直後の稲を食害し、西南暖地の稲作に少なからぬ被害を与えています。
ジャンボタニシは外来生物で、1981年に食用目的で台湾から長崎・和歌山両県に導入され、わずか2年後の83年には35府県に養殖場が拡大しました。ところが、食味の問題で市場に受け入れられず放置されたため、移植直後の稲を食い荒らす有害動物として西日本を中心に生息域を拡大し、定着してきました。2011年の発生面積は約10万haと推測され、全体の6割を占める九州では横ばい状態ですが、本州では瀬戸内や太平洋岸の低地で拡大傾向にあります。
●ジャンボタニシの効果的な防除方法
ジャンボタニシの水田での定着は越冬できるかどうかにかかっており、積雪が分布拡大の制限要因となっている可能性があり、山地、日本海側では問題化していません。被害を及ぼすのは殻高2以上の貝が主体で、稲の生育が進むと被害を受けにくくなるため、稚苗移植の場合は移植後2~3週間までが防除の必要な期間となります。貝は稲の葉身を水中に取り込んで食害します。水深が浅いと加害できず、また身動きも取れなくなるため、水のある所に移動する傾向にあり、結果的に水深の深いところに被害が集中することになります。
スクミンベイト(R)3は、米国では食品添加物として使用される燐酸第二鉄(3%)を有効成分とするベイト剤で、有機JASでも使用が認められている薬剤です。スクミンベイト(R)3を2~4kg/10a処理することにより、摂食後直ちに食害を抑え、殺害効果も期待できます。また、有効成分は水に不溶のため、オーバーフロー等による水系への流出リスクも低く、水生生物等への影響も少ない薬剤です。
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吉村明 ヨシムラアキラ
三井化学アグロ(株)
営業本部マーケティング部ハイブリッドライス 種子グループ グループリーダー
1962年生まれ。1988年 北海道大学大学院農学研究科修了。同年 三井東圧化学(株)(現三井化学)入社、農業資材開発に従事(北海道工業所勤務)。1996年 本社異動後、ハイブリッドライス事業開発を担当になる。2000年に事業ごと三井東圧農薬⑭(現三井化学アグロ)に異動し、現在に至る。17年間「みつひかり」をライフワークに、全国を飛び回る。
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