記事閲覧
まだ確定的な販売先を持っている人が限られるため、多くは試し作りの段階だが、本誌に寄せられるトウモロコシに取り組みたいという声は、筆者自身が思っていた以上に大きい。ご相談いただいた読者に対して売り先のない作付けを勧められず、今年は断念していただいた人もいた。
しかし、水田転作はもとより、我が国の農業でトウモロコシ以外にダイナミックな生産拡大が可能な作物は他にあるだろうか。生産にかかわる投下労働時間や生産コストの面からもトウモロコシには大きな可能性がある。
少なくとも水田転作として行なわれるなら、輸入トウモロコシより安い価格での供給も不可能ではない。ましてや、国内で作るトウモロコシは非遺伝子組み換えである。世界の主流が組み換えになっていく中で、国産トウモロコシは、飼料需要以上に食品や飲料の業界が注目する。
我が国はこれまで、1300~1600万tのトウモロコシを輸入してきているが、その国産化は夢ではない。それを実現するには、水稲を含めて畑作技術体系で作業をこなせることが低コスト化の条件である。乾田直播に取り組んでいる本誌の仲間はすでにそれが可能だ。
5月22日には花巻市でトウモロコシの検討会を行なうことになった。次号ではその模様を報告したい。
会員の方はここからログイン
昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)