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これは、鶏愛護のみを目的として行なわれるのではなく、養鶏農家の利益向上かつ社会的にも受け入れられる新しい仕組みを作ることにも注力している。現状、養鶏農家が放し飼いをためらう理由として、(1)野鳥から伝染病をもらう恐れがある、(2)失踪などで管理が困難、(3)ケージ飼いより保有数が減少するためにコストがかかる、(4)抜け落ちた羽やほこりが生産者の健康を害する、という4点が挙げられている。その問題点を解決すべく、技術、動物の管理を併せ持つハウジングユニットで、なおかつ商業的に機能し、現在より農家が利益を得ることができるRondeelというハウジングシステムを開発した。すべてのセクションに屋根があり、屋外セクションもフェンスで覆われていることから、鶏は外気を浴びながらも病原菌を持った野鳥にさらされる心配がない。セクションごとに分けられた館内では衛生管理や疫病防止、糞尿の管理などが簡便だ。
次回は、Rondeelシステムの内容とオランダの卵の価格について詳細を述べる。
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紀平真理子 キヒラマリコ
1985年、愛知県生まれ。2011年、オランダへ移住し、食や農業に関するリサーチ、本誌や馬鈴薯専門誌『ポテカル』への寄稿を開始。2016年、オランダVan Hall Larenstein University of Applied Sciences農村開発コミュニケーション修士卒業。同年10月に帰国し、農業関連記事執筆やイベントコーディネート、海外資材導入コーディネート、研修・トレーニング、その他農業関連事業サポートを行なうmaru communicateを立ち上げる。今年9月、世界の離乳食をテーマにした『FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの』を発行。食の6次産業化プロデューサーレベル3認定、日本政策金融公庫農業経営アドバイザー試験合格。
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