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弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖

境界線をめぐる紛争の解決


2 特定制度の内容
筆界特定登記官(法務局の公務員)が、筆界調査委員(弁護士・土地家屋調査士・司法書士など)の意見をふまえて、土地の境界を決定する制度です。登記官や委員は、どちらの味方でもなく、専門家の視点で客観的は判断をします。
(1)
申請人
申請をするのは、原則として当該農地の所有者に限られます。賃借人や地上権者などは申請権者ではありません。
(2)特定の方法
登記の記録、地図、昔の地図、当該土地の地形、地目、面積、形状、工作物、工作物設置の経緯等あらゆる事情を考慮した上で判断されます。場合によっては、これらの情報が乏しいこともありますが、申請があった以上は必ず結論を出すことになります。
(3)費用
特定制度の申請にかかる費用は、当該土地の価格に応じて定まりますが、個人の農家が所有している農地であれば、通常、数千円程度である場合がほとんどです。
ただし、境界線を特定する手掛かりが乏しい場合、土地の測量が必要となることがあり、その費用は当事者が負担しなければなりません。そして、その金額は数十万円以上になることも珍しくありません。あらかじめ見積金額を出しておくとともに、両当事者間でどうするのかを合意しておくことが重要です。
なお、特定制度は裁判と異なり、弁護士に依頼しなくても容易に手続を進められるので、弁護士に対する報酬を想定する必要はありません。

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