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さらに、サブソイラによる排水対策が土地利用型の機械体系として見直されてきているという。圃場によって作業深さを変えたり、段違いに設定したりできるコンビソイラが紹介された。タイヤ跡は最大70cm、トラクターの「腹」の下は40cmといった深さの異なる心土破砕ができる。
今回紹介したサブソイラと鎮圧ローラーなどを組み合わせた作業体系が有効なのは、暗渠に対して90度の方向で作業するよう整備された区画である。その場合、水田で硬盤をすべて破砕した無耕盤圃場をつくることで、透・排水性と保水性の良い圃場に改善できるためだ。
水田を利用してトウモロコシをつくる場合も、この透・排水性と保水性、かつ、保肥力のある土壌構造が大切だと考えている。従来の細かく柔らかい水田土壌から脱して、深く粗く砕土し、トラクターが沈まず高速で作業できるよう鎮圧された播種床を造成するのは、コメ、麦、大豆、トウモロコシなど共通の作業体系である。播種床造成までを同じ体系にすることで、区割りや天気に応じて作物を配置するという考え方ができるだろう。いずれにしても作業効率で言えば、複数の作業を一工程で行なうか、作業機の幅を広げて1haの播種床造成を1時間以内でできることが目安だと付け加えた。
汎用型の播種機とコンバイン
水田を畑作として利用し、複数の作物との輪作を念頭において機械体系を組む場合、播種機にも汎用性が求められる。国際農機(株)の石嶋信彦氏が紹介したのは、この汎用性を持つフランスのモノセムというメーカーの真空播種機である。
真空播種機は、真空状態で種子を播種板に吸い付ける仕組みを利用している。円形をした播種板には、種子のサイズに合った穴が並んでいる。モーターの回転で真空状態が作られ、播種板内部のホースで種子を1粒ずつそれぞれの穴に吸い付けて、播種板の回転とともに播種床に確実に落としていく。播種板を替えることによって、菜種からトウモロコシ、大豆までさまざまなサイズの種子に対応できる。実演機は4条対応で、容量50リットルの種子タンクが4つ、容量175リットルの施肥タンクが2つ搭載されていた。作業能率の目安は約1ha/時間という。
また、盛川氏が昨年、小麦の収穫用に購入したコンバインについて、日本ニューホランド(株)の藤本有樹氏は次のように説明を加えた。「小麦用のヘッダーをアレンジすれば、トウモロコシも収穫できる。今後、面積が増えていけば、トウモロコシ用のヘッダーも提案していきたい」。
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