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弁護士・戸出健次郎の困ったときの相談と転ばぬ先の杖

風評被害による損害賠償は認められるか


2 報道機関に対する請求

「報道」そのものと損害との間に因果関係が必要です。
例えば、「Aという区域内のXという農産物が、食品衛生法の上限を超える放射能に汚染されていることが独自の取材により判明した」と報道されたところ、消費者が、Xという農産物を買い控えた結果、売上げが減少したものの、この報道内容を裏付ける根拠に乏しく、結局は誤報であったというケース。このケースであれば、「報道」と損害との間に因果関係が認められ、売上げの減少分が風評被害による損害として賠償請求の対象になります。加えて、謝罪広告の請求をすることも考えられます。そもそも事故がなければこのような報道もないので、事故を起こした者に対しても、賠償請求できるのではないかと思われるかもしれません。しかし、この場合、事故と損害との因果関係は、誤報という報道機関の行為によって切断されていると考えるのが法理論です。
先般、ある漫画雑誌に掲載された内容が多分にセンセーショナルであったため、関係各所で議論を巻き起こしていました。仮に、あの漫画雑誌によって、特定の農産物の売上げが減少したという事実があり、かつ、内容が真実であると認定するに足りる根拠が存在しないのならば、漫画雑誌を刊行している出版社及び著者を相手に損害賠償請求を検討する余地は十分にあり得ます。

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