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編集長インタビュー

急成長するスペインの施設園芸に 後進国、日本の農家が学ぶべきこと


昆 後進国で技術力レベルも低いのに、設備費用だけはべらぼうに高い。
中村 僕に言わせたら、全く技術がないんですよ。自分はできるんですよ。でも、技術もマニュアル化されていないから、100人連れてきて同じことをやるように指示しても、自分がいない間も同じことができるというシステムができていない。
昆 篤農家ではあるけれど、経営者ではないということですね。オランダと日本のトマトの収量が5倍違うのも、高糖度のトマトばかりを売るより、収量のいい品種をつくって収量が倍になればそっちのほうが儲かるのにという発想ですよね。
中村 そう、ぶつけてもコロンと落としても問題ないようなトマトを作っているから扱いやすいんですよ。だから今日連れてきた人でも仕事ができるわけ。ところが、日本はそうじゃなくて、お客様が要求されるように柔らかくて高糖度のトマトをつくろうとする。品質を良くすればするほど、収穫量は落ちます。
昆 そういう風にしちゃったんですよね。国内のマーケットを。それで、そういうのを見れば見るほど、日本が情けなく思って帰ってきたと。
中村 日本の農家の力のなさ、特に資本力のなさ、僕を含めてそうです。一生懸命やっても、なかなか資本力がつかなくて。加えて、オランダという国は、マーケットが世界に出て行くのですが、スペインのように自国のなかにとんでもないマーケットの量があると、産業は物凄く発達すします。日本は意外と施設園芸は自国にマーケットがなかったんだろうなと思っているんです。
昆 みんなビニールハウスかトンネル栽培だから、高度な施設園芸というもののマーケットがないと。
中村 それと、与えられたガラスの温室しかなくて、農家自身のマーケットとしてはなかった。与えられているから使っているだけであって、農家自身がこうしないといけないという感覚はなかったんですよ。
昆 農家の経営思想のなかから生まれてきていないということですね。オランダが発祥かもしれないし、イスラエルにいって進化したかもしれない。でも、その後に出てきたスペインがメーカーも生産者も、後発であるがゆえに、極めて健全で健康なことをやっているよと。
中村 はい。スペインの施設園芸の情報はインターネットにもほどんど載っていないので、ぜひ、実際に現地に足を運んでもらいたいですね。
昆 ありがとうございました。

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