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座談会

農業経営者が覚悟すべき交付金制度の今後


本間 大豆はいろいろなところで作れるようになってきましたが、トウモロコシは今でもアメリカに集中している。一方で中国がトウモロコシの自給を目指しているけど、大豆のような5000万t規模ではないとしても、100万t程度入っている。将来的に中国がトウモロコシを買い始めたら、もう不安定化するのは間違いないわけですから。
昆 トウモロコシ業界のコンサルタントによれば、2020年で中国が日本の輸入額を超えるとか。
本間 そういう流れの中、国内のトウモロコシの生産を確保していくということが重要になっていくでしょうね。交付金について考えれば、3万5千円はすぐに打ち切らず、10年20年かけて減らしていく方向でもいいと思うんですよ。いずれ減らす方向を念頭におきつつ、3万5千円は残して、生産費をある程度補てんさせる。その一方で、世界の穀物状況とあわせて、「トウモロコシの将来は光があるんだ」と生産者に思わせる政策を打ち出していくことは必須でしょう。そうすれば、技術開発も進むし、そこに投資も入ってくる。そういうストーリーを政府が率先して作っていかなければいけません。
昆 ちゃんとしたものを作れるのであれば、交付金は水田転作に限らず、畑に対しても払っていくのがもっとも望ましい形ですよね。
高木 それはもちろん。何を作るかを国が決めることが間違っているんです。だから生産数量目標管理による生産調整をやめるべきだと思うんですよ。あれは経営権を侵害しています。
しかし農業経営者自身からこういう声がなぜあがらないかといえば、それはまだ経営者になっていないから。私が講演で農業経営者に「政策が出たら、自分の経営にとってそれはプラスなのかマイナスなのか、将来的にどうなのか。これらを判断して補助金をもらうならもらえばいい。ただし、もらった以上自己責任だよ」という話をするんですよ。当たり前の話ですが、そういうことを言わざるをえないところに、農業経営者のレベルはまだあるということ。

本間 今の農業経営は生業を出ていないんでしょうね。生業というのはその日暮らしのためにものを作るから、将来への投資をしないわけです。結果、将来の収益を全然計算しないし、トータルで見て何を作るという判断をしない。生業から経営体へ進歩してほしいですよね。
高木 本来だったら経営者としておねだりするのはやめて、農地の仕組みをもっと使いやすくしてほしい、といったことを主張すべきなんですけど、お上が何かやってくれるんじゃないかと期待しているんです。トウモロコシだって需要があって国民も支持するのであれば、一所懸命作ればいいし、畑作をしたって構わない。ずっと刷り込まれてきた食管制度のDNAから抜け出すという意味では、今回の機会はまさにチャンスなのかもしれません。

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